今期の王将戦は注目度の高さもあって、チーム体制を敷いて全員でアイデアを出し合う新たなスタイルを模索したそうだ。意見のぶつけ合いなど前準備が長時間になるケースもあったものの、部員それぞれが充実感を持っていたようだ。もともと競馬などを主戦場として撮影していた河野光希さんが「来期もぜひやりたいです！」と取材中に直訴するなど、そのモチベーションの高さを肌で感じた。

バカバカしいことを真面目に考えていく

　デスクの吉田剛さんは、今後の「勝者の記念撮影」についてこのように語っていた。

「羽生先生と藤井先生が対局したことで、『勝者の記念撮影』がすごく注目されるようにはなりました。ただその一方で記念写真は何十年も前から同じスタンスで今回が特別ではなく、これまでの流れを継承して、淡々と撮影していくことが過去やっていただいた先生達へのリスペクトにもなるかと考えています。これからも変わらず、バカバカしいことを真面目に考えていく。そのスタンスはずっと崩さないようにやりたいなと思います」

　おもしろ構図の「勝者の記念撮影」がどのように作られていくかの裏側は、#1、#2で語ってもらった通り。盤面に真剣な表情で向かう藤井名人・竜王、羽生を筆頭にした棋士たちが、盤上を離れると気さくであるというギャップに心を鷲づかみにされる観る将が増える中で……将棋の魅力を伝える1つの手段として、スポニチ写真映像部は今後も“驚きの一手”を練ろうと意欲的なのである。

＜#1、#2もあわせてお読みください＞

#1から読む

藤井聡太“ウサ耳笑顔ショット”のスポニチカメラマンが明かす撮影秘話「自分もウサ耳を被ったのですが、藤井先生が触れることはなく…」

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。