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藤井聡太が思わず「あ、釣られる方ですか?」…意表を突いたカメラマンからの“被り物リクエスト”「過去2年間『勝者の記念撮影』で被り物はなかった」
posted2023/07/14 11:01
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
SPORTS NIPPON
藤井の変化「撮影に慣れてこられた?」
藤井聡太は現在、毎週のように公式戦――時には週2ペースでの対局もあるほど――に挑み、白星を重ね続けている。その中でタイトル防衛を果たすたびに記者会見、さらにはイベント出演をこなしており、朗らかな笑みを浮かべている。名人戦第5局で史上最年少名人を獲得した際にも、会場となった「藤井荘」の入口にて報道陣からの求めに応じて〈七冠ポーズ〉に応じる藤井の姿があった。
最年少名人獲得の歴史的光景を現場で写真におさめていたのが、スポニチのフォトグラファー・河野光希さん。数カ月前までは同社が主催する王将戦名物の「勝者の記念撮影」にて、何度も藤井とカメラを通して間近に向き合ってきた。河野さんは、昨年度の王将戦で元旦号用の撮影に関わっていたが、「勝者の記念撮影」を担当するのは今年が初。19歳だった昨年と20歳となった今年の藤井に何かしらの変化があったのか、と聞いてみると河野さんは「偉そうに聞こえてしまったら恐縮ですが」と謙遜しながらこのように表現する。
「笑顔がとても柔らかくなった印象を持っています。昨年の王将戦などを撮った際は藤井先生も“どんな格好をするのだろう……?”と緊張されていたのかなと感じましたが、各タイトル戦の会見などをこなす機会も増えたことで、もしかしたら慣れてこられた部分もあるのかもしれません」
身体のいたるところにインコが乗るも「とてもいい笑顔」
例えば第1局、こんなことがあった。勝者の記念撮影は「終局直後」と「一夜明け」の2回のタイミングがある。一夜明けの撮影は、掛川花鳥園を訪れてコガネメキシコインコに囲まれて撮影するというもの。撮り始めると案の定、藤井の両手両肩どころか頭にインコが乗ってきた。