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「1試合6万円～」知られざるプロボクサーの“収入事情”…トラブルで引退させられた元日本王者に起きた奇跡「“まさかの”世界戦、結果は？」
text by
細田昌志Masashi Hosoda
photograph byGetty Images
posted2023/07/03 17:02
38歳の現役プロボクサー近藤明広（右）。自らも認める「不思議なボクシング人生」を語る（写真は2017年の世界タイトル挑戦時）
「これまで諦めるたびに、いろんなことが決まってきた。だからこそ思うんです。『逆にこういうきつい毎日を過ごしているときだから、チャンスかもしれない』って。間違いなく言えるのは、勝てば続くし、負ければおしまい。だから自分としても、7月の試合がどうなるか本当に楽しみです」
生前、筆者が取材を行った元レスリング全日本王者で、母校である早大レスリング部の監督もつとめた故永里高平氏は「チャンスっていうのはピンチの体勢になったときにやってくる」とレスリングという競技の特異性を論じた。
しかしこれは、どのジャンルのスポーツにおいても、いや、スポーツに限らず、何にでも言えることかもしれない。
栄光と挫折を繰り返しながら、しぶとくも数奇な現役生活を送ってきた近藤明広。ボクシング史上類を見ない“諦め力”はまたも作動するか？ もしくは不具合を起こすのか？
その答えは7月20日に出る。
＜#1、#2から続く＞
近藤明広（こんどう・あきひろ）
1985年埼玉県加須市出身。中学時代からボクシングを始め、白鷗大足利高3年のときにインターハイ準優勝。東洋大学中退後は日東ボクシングジムに入門し、2007年全日本新人王、日本ライト級王座を獲得するも、2013年に現役引退。2014年、一力ボクシングジムに移籍し、現役復帰。2016年、WBOアジア太平洋スーパーライト級王座を獲得。2017年、セルゲイ・リピネッツ（カザフスタン）とIBF世界スーパーライト級王座決定戦を戦うも惜敗。2022年、東洋太平洋スーパーライト級王座を獲得。同年末、初防衛戦に敗れ王座転落。7月20日後楽園ホールで開催される「3150FIGHT SURVIVAL vol．7」にてWBO世界スーパーライト級7位のホセ・マヌエル・ガルシア・バスケス（メキシコ）と対戦。右のボクサーファイター
