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長谷川穂積は中谷潤人の“苦戦”をどう見たのか?「2、3試合ぶんの価値あった」“階級の壁”に独自見解「中谷も鍛えているが…井上尚弥は太ももが違った」

posted2026/01/07 11:45

 
長谷川穂積は中谷潤人の“苦戦”をどう見たのか?「2、3試合ぶんの価値あった」“階級の壁”に独自見解「中谷も鍛えているが…井上尚弥は太ももが違った」<Number Web> photograph by Naoki Fukuda

スーパーバンタム級初戦で判定勝利を収めた中谷潤人。セバスチャン・エルナンデスのタフさと前進力に苦しめられた

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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Naoki Fukuda

サウジアラビアのリヤドで12月27日、「ナイト・オブ・ザ・サムライ」が開催され、スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)と前バンタム級2団体統一王者の中谷潤人(M.T)が競演、それぞれ判定勝ちを収めた。2026年5月に対戦が期待される両雄の今回のパフォーマンスをどう評価すればいいのか。元3階級制覇王者の長谷川穂積さんが解説する。(全2回の1回目/後編へ)

「中途半端だった」中谷潤人の戦いぶり

 バンタム級王座を返上、今回の試合がスーパーバンタム級転向第1戦となった中谷はWBC同級10位のセバスチャン・エルナンデス(メキシコ)との12回戦に臨んだ。井上とのビッグマッチに向けた「前哨戦」という位置づけで、中谷は好スタートを切ったと長谷川さんは見た。

「スタートは良かったと思います。左右のアッパーが当たっていたし、動きも良かった。『やっぱり強いな』と感じさせる立ち上がりで、このまま圧勝もあるのかなと思いました。3、4ラウンドで打ち合いましたけど、『スーパーバンタム級はどんな感じだろう』と試しながら打ち合っている印象でした」

 余裕を感じさせた序盤だったが、中盤に入ると雲行きが徐々に怪しくなった。しつこく手数を出してくるエルナンデスに対し、受けに回るシーンが多くなったのだ。下がったり、被弾したりするシーンも増え、ポイントを失っていく。終わってみればダウンシーンはなく、スコアは118-110と大差で中谷を支持したジャッジが1人いたものの、残り2人は115-113と小差だった。長谷川さんは「中途半端だった」とその戦いぶりを振り返った。

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「階級を一つ上げて、あれだけ前に出てくるファイターが相手で難しかったと思います。それだけに中途半端になってしまった。理想は距離を取りながら打ち合うときは自分だけパンパンパンと打って、また離れて距離を取る。そういうボクシングを12ラウンド続ける。あるいはずっと打ち合う。中谷選手はクリンチしながら相手をロープに押し込んで、そこから再スタートという展開にするうまさもありますから。打ち合うなら自分が前に出る形にしたかった。結果的にいずれのボクシングもできず、相手に巻き込まれる形になってしまいました」

【次ページ】 長谷川穂積が語る「階級の壁」の正体とは?

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