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「井上尚弥のパワーを恐れずに戦えたら」痛烈KO経験者ドネアはなぜ“フルトン優位”と予想? 40歳不屈の男も認めた“フルトンの強み”とは

posted2023/07/18 11:01

 
「井上尚弥のパワーを恐れずに戦えたら」痛烈KO経験者ドネアはなぜ“フルトン優位”と予想? 40歳不屈の男も認めた“フルトンの強み”とは<Number Web> photograph by Hiroaki Yamaguchi

井上尚弥の“挑戦”を受けるスティーブン・フルトン(28歳)。公開練習は異例の15分で終了した

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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Hiroaki Yamaguchi

 痛烈な2回KO負けを喫した昨年6月の井上尚弥(大橋)戦から1年以上が過ぎ、軽量級元5階級制覇王者がリングに戻ってくる。

 井上に敗れて無冠に戻ったノニト・ドネア(フィリピン)は7月29日、世界王座奪還をかけ、ラスベガスでアレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)とのWBC世界バンタム級王座決定戦に臨む。

 42勝(28KO)7敗の戦績を積み重ねてきたドネアも昨年11月で40歳になった。27勝(14KO)3敗5分の27歳、サンティアゴが相手でも優位とみなされているが、加齢による影響は気になるところではある。ただ、井上戦後、母国フィリピンでもトレーニングを積み重ねたドネアの意欲にまったく変化はないようだ。

 7月上旬、通算26度目の世界戦を間近に控えた“フィリピーノ・フラッシュ”にリモートインタビューで話を聞いた。今戦の抱負、不惑を迎えても戦い続ける理由、今後に対戦したい相手、そして7月25日に迫った井上対スティーブン・フルトン (アメリカ)戦の予想など、話題は多岐に及んだ。いつも通り丁寧な言葉の向こうに、いまだ衰えないドネアの闘志とボクシングへの愛が燃え盛っているかのようだった。

40歳でも衰えない“アップデート”

――次戦が直前に迫っていますが、今の状態はいかがでしょう?

ノニト・ドネア(以下、ND) 素晴らしいですよ。もう準備はできていますし、特にスタミナ面がこれまでとは違うレベルになったと思っています。過去の私とは違った面が見せられると感じているので、今回のサンティアゴ戦にはとてもエキサイトしているんです。

――違った面とは具体的にはどういったことですか?

ND これまでとは違うスタイルで戦うということです。妻のレイチェルが私のメインのコーチですが、それに加え、今戦に向けて、新しいディフェンシブ・コーチを雇用しました。ご存知の通り、私は攻めるのが好きで、自分のことをオフェンシブなボクサーとして認識しています。一方、ディフェンスを疎かにしてしまうことがあり、おかげで被弾したり、カウンターを浴びたりしてきました。それを矯正するため、ディフェンシブ・コーチはより注意深く戦い、頭を動かせ、といったことを指示してくれます。それらは今後、さらに長く戦っていくために必要なこと。ここでの練習の成果を見せられるのを楽しみにしているんです。

――そのディフェンシブ・コーチとは誰ですか?

ND 彼の名はジュリアス・ジュンコ。フィリピンのオメガボクシングで指導するトレーナーです。私がフィリピンでトレーニングをしていたときに彼に出会い、その指導法を気に入りました。彼からディフェンスを教わることにエキサイトしていますし、ファンの方々にもその成果を見せたいですね。

【次ページ】 井上戦後に引退決意「すぐに取り下げたが(笑)」

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