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杉原愛子23歳、復帰戦で優勝の“サプライズ”はなぜ起こった? 最新演技に見えた“女子体操オリンピアン”の誇り「パリ五輪選考の台風の目に…」
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byJIJI PRESS
posted2023/06/26 17:11
6月の種目別選手権ゆかで復帰し優勝を飾った、東京五輪代表の杉原愛子
パリ五輪代表選考で“台風の目”となる可能性も
次は個人総合の全4種目で競う全日本シニア選手権(9月9日、東京都立川市)に出場する意向を示した。シニア選手権の成績で条件を満たせば、来春にパリ五輪代表選考を兼ねて開催される全日本個人総合選手権の出場資格につながる。杉原はまだ23歳。もちろん簡単なことではないが、トップに近いパフォーマンスを取り戻すことも不可能ではない。全日本種目別選手権ではゆか1種目の出場だったため、現時点では「跳馬」「段違い平行棒」「平均台」「ゆか」の4種目をこなす体力面など未知数の部分は多いが、9月の結果次第ではパリ五輪代表選考で“台風の目”となる可能性が出てきそうな気配もある。
全日本種目別選手権の後、杉原はこのように語っていた。
「コーチ業や審判、エキシビション出演などいろいろなことをさせてもらっている中で、今回は選手として大会に出て“二刀流”をアピールすることはできたのではないかと思います。次は9月の全日本シニア選手権で個人総合にまた戻れるように、指導しながらも自分の練習もしっかり怪我のないようにやっていけたらいい。これという目標はまだないのですが、(4種目出場の個人総合という)目標に向かってまた新たに進んでいけるのは楽しみです」
柔軟性に富み、ひねりが得意な杉原は、もともと4種目ともまんべんなく点を取れるオールラウンダーで、2017年世界選手権(カナダ・モントリオール)では女子個人総合で6位入賞を果たした実績を持つ。この先の目標を定めるうえで、9月の全日本シニア選手権はひとつの試金石になっていきそうだ。
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