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白鵬が感動、稀勢の里からLINEが…!『サンクチュアリ』泣ける演技が話題の“元力士”が語ったリアル舞台裏「トイレで尻拭く以外はガチ」
posted2023/06/26 11:02
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph by
Kensho Sawada
5月の初め、澤田賢澄のスマホに元横綱からLINEが届いた。
『断髪式、夫婦で泣かされたわ』
メッセージを送ってきたのは同い年の稀勢の里(現二所ノ関親方)だった。
澤田は中学を出て、千代の富士率いる当時の九重部屋に入門し、稀勢の里と同じ2002年春場所で初土俵を踏んだ。
高卒や大卒が増えていた角界で、同じ中卒叩き上げの2人は正真正銘の同期。
「ずっと仲良くしてもらってて、僕が引退した時は断髪式の二次会にも来てくれたし、お店を開いた時もわざわざオープンに来てくれたんです」
そんな稀勢の里が、ドラマを見てすぐにエモーショナルな感想を伝えてくれたことを澤田は喜んだ。
「やっぱりうれしかったです。僕らはまだ劇中にあるような厳しい稽古やしきたりが普通だった世代なので、彼にもぶっ刺さるものがあったんだと思うんですよ」
ただ、稀勢の里はこうも言った。
『あれじゃ入門希望者が減るだろ』
リアルで過激な描写が世界で話題に
5月4日に世界同時配信されたNetflixシリーズ『サンクチュアリ -聖域-』は、荒くれものの主人公が角界での立身出世を目指すスポ根ドラマだ。内幕まで含めたリアルで過激な描写が話題を呼び、日本のNetflixの「今日のシリーズ」では1位を獲得。海外でも香港やトルコ、ギリシャなどでトップ10入り(テレビ・非英語部門)し、公開2週目には週間グローバルランキングで6位(同)まで浮上する話題作となった。
澤田が演じたのは、主人公・猿桜の兄弟子、元小結の猿谷という役だった。キャラの濃い脇役陣の中でもひときわ存在感を求められる役どころだが、俳優初挑戦の元お相撲さんとは思えない演技っぷりを見せた。
「やっぱり反響はすごいです。公開されてから徐々に増えて、ニュースで取り上げられるようになってさらに大きくなった感じがします。一番うれしいのが、相撲を見たことがなかった人が、ドラマを通じて相撲を見たくなったと言ってくれることです」