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「朝5時起き、深夜12時まで仕事も…」絶好調大関・安青錦を支える相撲部屋のおかみさんとは? 安治川部屋・絵莉夫人に聞く「私は親方が好きだからこそ…」
posted2026/02/20 11:02
昨年11月、大関昇進の伝達式を控え、笑顔を見せる安青錦(中央)。左が安治川親方(元関脇安美錦)、右が絵莉さん
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佐藤祥子Shoko Sato
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JIJI PRESS
大相撲初場所で新大関として土俵に上がり、2場所連続優勝を果たした安青錦。怒涛の快進撃で、来たる3月の大阪場所では綱取りを迎える。2023年9月秋場所の初土俵以来、わずか2年半での快挙に、大相撲界は沸きに沸いている。
師匠である元関脇安美錦の安治川親方も、部屋を興してからまだ3年余り。手探り状態の新米師匠との二人三脚で、若々しい相撲部屋を切り盛りするのが、おかみさん――絵莉夫人だ。2013年に、当時34歳の現役力士だった安美錦と結婚。しかし、その直後から安美錦はケガに見舞われ続ける。幸せなはずの新婚生活は、ただひたすら”現役アスリート”を支える毎日となった。特に大変だったのは、16年、安美錦が37歳の年でアキレス腱を断裂した時だった。
「長女が2歳、次女が1歳でした。長女をベビーカーに乗せて次女を抱っこして、親方は車椅子状態。私が車を運転して、いろいろな治療を受けるためにあちこちへ通院していました。アスリートが車椅子になるって、精神的にも大変なこと。親方は、よくあの時を乗り越えてくれたと思います」
「それまでは”安美錦関”のことだけを考えていた」
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そう絵莉夫人は述懐する。かつての安治川親方の「結婚早々、大変な生活が始まった。でも、40歳まで現役人生の寿命を延ばしてくれたのは、おかみのお陰でもあるかな」との言葉を想い出す。今、相撲部屋のおかみさんとしての日々を慌ただしく送っている絵莉さんは言う。
「いや、私ではなく、子どもの存在が大きかったのだと思いますよ。今、私もおかみという立場になって日々忙しい毎日ですけれど、やはり子どもの存在が大きいんです。子どもから学ぶこともありますし、日々の精神的な支えにもなっているんですよね」
夫の現役力士時代とは、生活がまったく変わったという。


