大相撲PRESSBACK NUMBER
豊昇龍と大の里の“金星配給が多すぎる”問題「1場所平均は千代の富士の4倍、白鵬の6倍以上」背景に“過密日程”「体はボロボロだったけど…」横綱の責務
posted2026/02/06 17:01
ともに10勝5敗で初場所を終えた豊昇龍と大の里。両横綱が揃って3個の金星を配給した背景には、何があったのか
text by

荒井太郎Taro Arai
photograph by
JIJI PRESS
史上最速となる前相撲から所要14場所で大関の座を射止めた安青錦の快進撃は、新たに看板力士となった先の初場所でも止まらなかった。前半戦こそ、新大関とともに6勝1敗と白星を大きく先行させた両横綱であったが、場所前から豊昇龍は左膝、大の里は左肩の状態が懸念され、相撲内容は盤石さを欠いていた。
天覧相撲となった8日目に横綱、大関が全滅するという前代未聞の異常事態に見舞われると、翌9日目も2横綱が揃って連敗。上位陣がけん引すると思われた優勝戦線は、一気に混戦模様に突入した。
安青錦21歳躍進の一方で…両横綱の不安
そんな中でも安青錦は崩れることなく、10日目以降は優勝争いで首位の座を守り続け、12日目は熱海富士との直接対決を制して単独トップに立った。14日目は大の里に吹っ飛ばされて3敗に後退し、終盤になって息を吹き返した横綱に1差に迫られたが、千秋楽は優勝決定戦で熱海富士を首投げで仕留め、白鵬以来20年ぶりとなる新大関Vを達成。新関脇、新大関での連覇は双葉山以来89年ぶりの快挙となった。
ADVERTISEMENT
「今まで味わったことがない緊張感があった」
前夜はなかなか寝付けず、食事も喉を通らなかったことを明かした。新たに負けられない立場となり、これまで経験したことのないプレッシャーに襲われながら、2度目の賜盃を手にしたのだった。
豊昇龍、大の里の両横綱はともに10勝に終わり、春場所は早くも綱取りに挑むことになる21歳の破竹の勢いを止めることができなかった。豊昇龍は安青錦に対し、優勝決定戦を含めれば5戦5敗。いまや完全に横綱の“天敵”として立ち塞がっている。
いつもは「しっかり集中するだけ」と次の一番だけを見据え、負けた日は「終わったことは終わったこと。明日のことをしっかり考えてやっていく」と切り替えに努めていた豊昇龍だが、この場所は11日目に勝ち越しを決めると「勝ち負けを気にせずに、楽しんでやりたい気持ちで今、やっている」と語った。横綱としての初優勝を目標に掲げる男にしては、大きな心境の変化だ。それだけ不安を抱える左膝を含め、体調面が万全には程遠いことが察せられた。

