青と白のソシエダのユニホーム姿の久保を最初に撮影することになったのは、入団会見から9日後に組まれたオサスナ戦だった。チームの練習施設スビエタ内で行われたプレシーズンマッチということもあり、現地メディアがちらほらいるという注目度だった。

　この試合で初先発を飾った久保だったが、控え組、新加入選手のチェックの意図が汲み取れるメンバー構成だった。ただその中で、右サイドにポジションを取っていた久保に、イマノル監督がインサイドにポジションチェンジを指示するなど、そのユーティリティー性を評価している面も感じられる一戦だった。

　なおシーズン中盤以降はよく目にすることになった〈TAKE〉のユニホーム姿のサポーターなどは、この時点では全く目にすることはなかった。

プレシーズンマッチの久保

開幕戦ゴールもにじませた悔しさ、バルサ戦の収穫

　迎えた開幕節、アウェイでの対カディス戦、久保は先発起用に先制ゴールというこれ以上ない結果で応えた。

　久保は“練習でもやっていなかった”というツートップの一角での出場だったが、エースFWイサクの周りを衛星のように動きながら、ゴール裏へ飛び出しチャンスを狙った。途中からは左サイドにポジションを移すなど、監督の戦術変更にも対応したが、先制点以外で決定機を外すなど、課題が見えた試合ではあったか。

　そんな悔しさを露わにした一瞬の表情が、ゴール後の喜びとは別に印象的な写真として残る。

カディス戦

バルサ戦

　第2節は、ホームでのバルサ戦だった。

　結果は1-4と大差での敗戦となってしまったが――内容はソシエダの底力を感じさせるものだった。その中でも久保は突出したパフォーマンスで、デヨングからボールを奪うと得点の起点になり、また相手がカード覚悟のファウルで止めざるを得ない独走ドリブルを見せた。

　当時の試合後記事に“シーズン2桁ゴールもある”と予想を示した。これには後一歩届かなかったが、そう予想させるほどのチャンスにシーズン序盤から絡んでいたことが思い起こされる。ただ2ゴール目まで多少の時間がかかった。さらにチームとしては、エースとして活躍が期待されていたイサクのプレミアクラブへの移籍が急遽決定した。

過密日程でFWも人材難になりかけたが

　リーガと並行してELの戦いが始まると、週2試合の過密日程が続いていく。

　メンバーのローテーション起用が行われ始め、第5節ヘタフェ戦では、ベンチとなったシルバに代わり、久保のトップ下起用もあった。この試合では、かつてのチームメイトに久保の良さを消され、ハーフタイムでの交代を余儀なくされると、チームとしても勝ち星のなかったヘタフェに敗戦を喫してしまう。

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