リーグでも前半戦はベンチを温めたり、メンバー外になることも少なくなかったが、スタメン起用された18節バイエルン戦で好パフォーマンスを披露すると、スタメンの第1候補に入ることがまた増えてきた。最終節となった日本代表FW堂安律がプレーするフライブルクとの試合ではキャプテンとしてスタメン出場を果たし、随所でホームスタジアムに詰めかけたサポーターをうならせるプレーを見せていた。

監督補佐のアンガーシュミッドから指示をうける長谷部　©JIJI PRESS

長谷部が語る今季の反省点

　とにかく、まだ戦力として十分にやれるのだから、現役延長も当然という声もあるかもしれない。ただ長谷部にとって大切なのはそうした世間やクラブからの評価だけではなく、心の中で確かに燃える向上心や野心だと思われる。世間からの評価にはどうしても《39歳》《ブンデスリーガ最年長選手》というフィルターがかかる。ただ本人からしたら、やれていることがあるのはもちろんだが、やれていないこともあるのを度外視はできないという思いもあるのだ。

長谷部「今日は出ましたけど、ここ2試合は出れてなくて。満足できるかというと、ずれというか、フィーリングで多少あってないところもあった。シーズンを通して怪我もあり、試合に出たり出なかったりという部分で、波が結構あったかなと。自分はどちらかというと波がないのが特徴の選手だと思うんで、もう少しシーズン通してコンスタントにやっていけたらよかったなと思うんですね」

　フライブルク戦後にこのように話していた長谷部。もっとできるという自分への期待。なのにそれができなかったという反省と悔しさ。経験を数多く積み重ねてきたことで、《どこまでが自分のミスで、どういう選択肢が最適だったのか》に対する判断基準がおそらく誰よりも明確で鋭い。だから来季も今季の反省を生かしてチャレンジしたい思いがあるし、できるという自信もある。あまり表立っては見せないが、生粋の負けん気の強さは健在だ。

自分がいつまでもアンタッチャブルな状態は…

　とても印象に残っているミックスゾーンでのやり取りがある。

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