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大谷翔平の“愛され人間関係”を現地で見た…監督とはジョーク合戦しても、トラウトに“ちょっかい”はかけない「互いのリスペクトが感じられる」
text by
柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byAFLO
posted2023/06/24 17:03
ホームランを放った大谷翔平を、トラウトが兜でお出迎え。大谷の愛されぶりがうかがえる
トラウトには“ちょっかい”をかけない
新戦力のハートをすぐに掴むのも大谷の特徴だ。今季加入した救援右腕カルロス・エステベスとの話題は専ら日本のアニメ。エステベスはロッカーに「ドラゴンボールZ」のブロリー、ベジータ、孫悟飯、「ナルト」のうちはイタチなど複数の人気キャラクターのフィギュアを飾るほどのアニメ好きだが、大谷との会話について「『ワールドトリガー』『ブラッククローバー』などを教えてもらった。『スラムダンク』は今、漫画を読み始めているところだ」と明かした。漫画やアニメが好きな大谷にとって、日本が誇る文化は重要なコミュニケーションツールになっている。
大谷が入団した'18年からエンゼルスに在籍する選手は今季開幕時点でマイク・トラウト、ハイメ・バリア、フレッチャー、テイラー・ウォードの4人。特にWBC決勝の9回に大谷と名勝負を演じた米国代表主将のトラウトとは、互いにリスペクトしていることが感じられる。大谷は今や「メジャーの顔」と表現していいが、トラウトにもMVP3度受賞のプライドがある。普段、大谷からトラウトに“ちょっかい”をかけることはなく、トラウトもキャンプ中に大谷の打撃練習をケージ裏から熱心に見つめていた。今季終了後にFAになる大谷について、トラウトは「長年にわたっていい関係を築いている。本人の気持ち次第だが、彼が残るために何でもする」と残留を熱望。大谷の'17年オフのメジャー挑戦時にはテレビ電話でラブコールを送り、入団に一役買ったトラウトがどう動くか。二人の関係は興味深い。