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「僕は井上くんのパンチのヤバさを味わっている」“井上尚弥を最も苦しめた男”が予想する、井上vsフルトン「正直フルトンのコワさって感じません」
text by
林壮一Soichi Hayashi Sr.
photograph byHiroaki Yamaguchi
posted2023/06/16 17:02
昨年12月13日に無敵の強さで4団体王座統一に成功した井上尚弥(30歳)。スーパーバンタム級へ階級を上げ、フルトンとのタイトルマッチ(7月25日)に臨む
(井上戦で)フルトンの勝利を唱えている人たちは、井上くんのオフェンス力を理解していません。一気に2階級上げたオマール・ナルバエス戦の時だって、体重差を判断材料とする人がいましたよね。バンタム級の世界タイトルを奪われたジェイミー・マクドネルや、デビュー以来無敗だったIBFバンタム級王者のエマヌエル・ロドリゲスは試合前、かなり強気の発言をしていましたが、単に井上くんの攻撃力を分かっていなかったからですよ。強気であることはいいにしても、フルトンも井上くんのとんでもない強さを理解できていないんじゃないかな。フルトン自身も下のクラスのチャンピオンだという印象なんでしょうね。
実際、自分は井上くんのパンチをもらっていますから、あの怖さを味わっています。体感しないと分からないものかもしれませんね。井上尚弥という選手は規格外ですよ。どれだけヤバいかっていうのは映像だけじゃ分からないです。自分はそれを2012年のスパーリング、2013年には日本ライトフライ級タイトルマッチ、2014年もスパーリングで味わっていますから。もう10年も前になりますが、あれだけのパンチを持った選手にはお目に掛かれないですよ。現役時代、自分がスパーで相手にした一番重いクラスの選手はバンタム級でしたが、井上くんとは比較になりません。ああやって、対戦相手をバタバタ倒すのも頷けます。彼のパワーは普通ではないんです。
もちろんフルトンはフィゲロア戦よりも、ローマン戦よりもコンディションを整えてくるでしょう。それでも、井上くんを相手にしたら、どうにもならないんだってことを思い知らされるでしょうね。井上くんは別格です。オフェンスもディフェンスもパンチ力も、何もかもフルトンを上回っています。長引く可能性はあるにしても、判定まではいかないでしょうね。
このところルイス・ネリ(28/WBCスーパーバンタム級2位)も井上くんを挑発していますが、もし決まったら、痛い目を見るでしょう。個人的には観てみたい試合です」
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田口良一の言葉通り、7月25日に井上尚弥は有明アリーナで4階級制覇を成し遂げることだろう。期待を込めて見守りたい。
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