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辻陽太の巨体が力強く宙を舞い…メキシコ帰りの29歳はいかにして観衆の心をつかんだのか? IWGP王者SANADAも「あんなに飛んでくるとは…」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2023/06/08 17:24
6月4日、メキシコ帰りの辻陽太は大阪城ホールでIWGP世界ヘビー級王座に挑戦。惜しくもベルトには手が届かなかったが、強烈なインパクトを残した
辻陽太「オレが新日本を世界一の団体にしてみせる」
「いままでの常識をぶち壊す。新日本プロレスが新たな世界へと足を踏み入れるために、その象徴にオレがならないといけない。これから新日本プロレスを背負っていく人間として、一番自分に注目が集まる凱旋というタイミングで、一番上のそのベルトに挑戦できないようでは、これからのレスラー人生、その程度で終わる」
そんな考えのもとに計画された辻の「IWGP王座への挑戦」は成功した。
7月15日、札幌の北海きたえーる2連戦から開幕する『G1 CLIMAX』には32選手が参戦する。もちろんブロック次第だが、ここで辻がSANADAとの再戦ということになれば、辻には勝機がある。いや、勝たなくてはならない。もし、それで勝てなければ「最初のプランは何だったんだ」ということになる。
辻はこれから日本を主戦場にして戦っていく。
「内藤さん、そしてロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン、あなたとオレの気持ちが同じなら、覚悟はいいですか。オレはロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン、そして新日本プロレスをさらなる高みへと持ち上げてみせる」
以前から「新日本を面白くしてやる」と豪語していた辻は、あらためてその思いを言葉にした。
「これは始まりなんだ。世代交代とか若手の台頭とか、そんなもんじゃない。オレが新日本プロレスを世界一の団体にしてみせる。覚悟はいいか、新日本プロレス。そして世界よ」
根拠なき大言壮語か、あるいは確信に近い手応えがあるのか。辻が不敵に笑っている。
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