女子プロレスと“悪質ファン問題”の本質とは？ わいせつ写真投稿に法的措置検討も、団体が「撮影禁止にはしたくない」理由

　女子プロレスというジャンルを見る時、どうしても意識せざるを得ないのは心ないファンの存在だ。SNSでのコメントに悩む選手も多い。

　そんな中で「ワールド女子プロレス・ディアナ」が大きな意味を持つ声明を出した。6月5日のことだ。

「【女子プロレス選手】への名誉毀損並びに ハラスメント行為防止活動開始のお知らせ」と題された文章は、以下のようなものだ。

「会場やオンライン試合観戦をしている観客の一部に、選手の体の特定部位を強調する写真撮影、画像編集等を行い、これらの画像をSNSや、ブログ、WEBページ等、多くの人の目に触れる場所に投稿している人物がいることを確認しています。また、これらの投稿に対し、選手に対する卑猥な内容のコメントやリプライを投稿する人物がいることも確認しています。これらに追随する形で、選手の社会的な評価を低下させるコメント等を投稿する人物がいることも確認しています。

　これらのすべての行為は、撮影の対象とされた選手の人格権を侵害します。

　これにより選手は現に著しい精神的苦痛を受けています。試合に出場すると再び同様の行為の対象にされるのではないかと不安に感じ、安心して試合に臨むことが困難な状況にもなっております。

　ワールド女子プロレス・ディアナ株式会社では、弊社興行中並びに所属選手が他団体参戦中にご撮影いただきました写真の使用方法が私どもの想定を超えた事案と確認した場合、ご掲載の取り下げ及び削除のお願いをさせていただきます。またSNSやWEB等で卑猥な内容を弊社所属選手及び関係者に向けて発信されたのを確認した場合も同様の対応をとらせていただきます。

＊弊社主催興行内にて撮影された写真のお取り扱いは弊社所属選手の有無にかかわらず一律で同様の対応をとらせていただきます。

　弊社からの依頼を受諾頂けず、悪質で執拗なハラスメント行為、名誉毀損の継続を確認した場合は民事裁判並びに刑事告訴、告発を起こすことも視野にいれて本活動を開始いたします」

団体担当者が語る“問題の本質”

　猥褻な意図で写真を撮り、掲載する。それに対して卑猥なコメントをする。選手自身が見たら怒ったり傷ついたりするのは当然であり、悪質な観客に対して団体が対応することは絶対に必要だ。ましてディアナには高校生、中学生のレスラーがいる。シングル王者の選手もまだ22歳。匿名の悪意に個人で向き合えと言うのは酷だろう。

　ディアナの経営企画部部長である不破大志氏に聞くと、あくまで一部の観客の問題ではあるという。

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