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ボクシングPRESSBACK NUMBER
那須川天心に寄せられた「ボクシングでは通用しない」の声…それでも強気の姿勢を貫く理由「そのうちみんな掌を返すと思うので」《単独インタビュー》
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph bySusumu Nagao
posted2023/06/08 11:06
今秋にプロボクサーとしての第2戦を予定している那須川天心。インタビューでは「人生をかける価値がある」とボクシングへの情熱を口にした
デビュー戦後、天心はようやくフックを教わり始めたという。
「フックはこうやって打つんだよ、という感じで、ミットでもやっています」
「ここに人生をかける価値がある」ボクシングへの情熱
次戦は今秋に予定されているが、少なくとも4、5カ月ほどのインターバルは空く。かつては月1回のペースで試合をしていたこともあるだけに、早くても3、4カ月に一度というボクシングの試合間隔はゆったりとしたものにも映る。それでも、天心は「こういう期間も大切」と力説した。
「試合がないときだからこそできることもあるし、考えられることもある。だからパンチの打ち方や、打ったあとの動きを意識しなくてもできるようにしたい。だいたい、意識しないでやらないと試合では使えない。身につくまで1カ月くらいは見ておいた方がいい」
かつての天心には、視覚から取り入れた動きをすぐ使えるようなイメージがあったが、ボクシングではそうもいかないのだろうか。
「すぐにはできます」
ならばなぜそのやり方を踏襲しないかといえば、「できるということ」と「身につくということ」は別問題だからだろう。ましてやボクシングは拳ふたつで闘う格闘技である。見た目は非常にシンプルながら、だからこそ奥が深い。天心もその無限大ともいえる奥深さに魅了され、「ここに人生をかける価値があると思いました」と話す。
その一方で、自分の階級の選手に関しては無頓着で「気にならない」とも言った。
「僕は自分の階級で誰がチャンピオンで、誰がランカーとか全然知らない。見るだけだったら、RIZINの方を見ています。でも、知らないからこそいいのかなぁという部分はありますね。やっていてそう思う」
注目すべきは自分。これまでずっと主役街道を歩き続けた天心らしい考えではないか。次戦では、ボクシングの2文字目の「ク」を新たに見せてくれるだろうか。
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