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兵役を終え台湾の誇りを取り戻した!
3年目の正念場を迎える阪神・蕭一傑。
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byNIKKAN SPORTS/AFLO
posted2011/02/06 08:00
昨年開催されたアジア大会で銀メダルを獲得した台湾代表の蕭一傑(左)。隣は昨年秋のドラフトで阪神に1位指名された榎田大樹(アジア大会当時は東京ガス)。日本代表は銅メダルだった
「プレッシャーを感じないとダメだと思います」
蕭はこのオフの間に、台湾に家を購入したという。
ただ、それは裕福な暮らしをするためではなく、毎月台湾に(家購入の)お金を送金することで、ハングリーさを取り戻すためだ。
「ドラフト1位」という甘えから脱するつもりなのだ。
「プレッシャーは感じますけど、今は、逆に言えばプレッシャーを感じないとダメだと思います。3年目ですからね。家を買ったのは自分にプレッシャーを与えるため。今年は一軍で投げたいですね。今は気が引き締まる思いです」
台湾を発つ飛行機が離陸しようとするそのとき、彼は「今まで感じていなかったプレッシャーが押し寄せてきた」のを意識したという。それはこれまでの日本入りとはまた一味違う「覚悟」を彼自身が携えていたからだろう。
台湾人としての誇りを胸に、蕭一傑は3年目のシーズンに挑む。