不動産業との兼業も…“高橋大輔のライバル”だったパトリック・チャンが4年ぶりのショー復帰を決めた理由「音楽表現は以前よりうまくなった」

　5月5日、トロントのスコティアバンクアリーナで、「スターズオンアイス」カナダが開催された。男子は4度タイトルを手にした元世界チャンピオン、カート・ブラウニング、1994年と1998年の五輪銀メダリスト、エルビス・ストイコ、そして2014年ソチ五輪銀メダリストのパトリック・チャンと、世代の違うチャンピオンたちが顔を揃えた。キャストは他にキーガン・メッシングやギレス＆ポワリエなどのカナダ勢、そして日本から宮原知子、アメリカからジェイソン・ブラウン、ベルギーのルナ・ヘンドリックスなどが参加。ジェフリー・バトル振付によるグループナンバーも充実した、素晴らしいショーだった。4年ぶりにショーに参加したパトリック・チャンが独占取材に応じた。

◆◆◆

コロナを機に不動産エージェントの資格を取得

　パトリックは2018年平昌五輪でカナダの団体戦金メダルを獲得した後、競技を引退。アイスショーに出演する傍ら、拠点のバンクーバーでセミナーなどを主催してきた。

「最後にショーに出演したのは、2019年のスターズオンアイスツアーでした。そして2020年の3月に日本のアイスショーに出演予定で、領事館でビザを取った翌日に（パンデミックで）全てがシャットダウンしたんです」

　パンデミックでスケート活動の場が失われ、パトリックはオンラインコースで不動産エージェントの資格を取得。現在も商業物件を中心に、不動産業務をこなしている。私生活では2020年夏に元ペアスケーターのエリザベス・パットナムさんと結婚し、2021年の秋に長男のオリビエくんが誕生。このショーでも、パトリックが息子の手を引いてビーチを歩く良き父親としての微笑ましい姿が、演技前に上映された。

【次ページ】　一時期は氷の上に上がることがほとんどなくなった