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浦和レッズサポが燃えた“本気の埼スタ”のアツすぎる情景…ACL決勝でカメラマンが抱いた確信「その瞬間、西川周作は必ずこちらを向く」
text by
原壮史Masashi Hara
photograph byMasashi Hara
posted2023/05/09 17:40
5月6日のACL決勝セカンドレグでアル・ヒラルを破り、3度目のアジア制覇を成し遂げた浦和レッズ。5万3374人の大声援が選手たちを強力にサポートした
「悔しさ」だけではない、もうひとつの原動力とは
付け加えるなら、2019年の悔しさだけでなく、継続性も原動力になっていた。
このACLに出場できたのは、2021年の天皇杯を宇賀神友弥のゴールで勝ち上がり、槙野智章の劇的すぎるゴールで制したからだ。
今年から指揮を執るマチェイ・スコルジャ監督は、リカルド・ロドリゲス監督が率いていたチームの戦い方を大きく変えることなく継続させることで、ACLのタイトルに照準を合わせてきた。これまで浦和に関わってきた全ての人たちのおかげでこの日がやってきた、という思いが、各選手に強く刻み込まれていた。
興梠慎三はこう語っている。
「今まで戦ってくれた人たちの分まで背負って戦わないといけないと思っていた」
表彰式で現キャプテンの酒井宏樹が2022年のキャプテン・西川の手を引き、2人でトロフィーを掲げた光景は、浦和が積み重ねてきた歴史の重さと大きさを象徴していた。
興梠は「この雰囲気の中で初めてプレーした選手もたくさんいたと思う。緊張すると思うが、これが浦和レッズ」と言い、酒井は「勝ち続けることでサポーターの皆さんは必ず味方になってくれる」という言葉を残した。
長谷部誠のチャントを受け継いだ伊藤敦樹は「これが夢見た光景」と最高のスタジアムで王者になる喜びを語った。選手にとっても、サポーターにとっても、この試合を経験したことが「浦和は唯一無二の勝負強さを持つクラブ」という未来に繋がっていくのだろう。
赤く燃えるスタジアムの写真を見返しながら、そんなことを考えていた。
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