「ベルカンプはスピードがあり、ゴールへ向かうプレーをする。視野が広くて、縦に行くべきか、ステイすべきか、その判断も良い。味方にボールを配球することも出来る。唯一足りないのは、両足で機能的にプレーすること。左サイドでのアクションが物足りない。それでも左足でシュートを決めることが出来る。それが近年、彼が学んだことだ」

　一方、クライフはベルカンプを以下のように評している。

「彼の良さはシンプルなテクニック。とってもシンプル。だけど、“シンプルに見えるようなテクニック”。一つの動きですべてのことをやってのけてしまう。それが並外れたテクニックというものだ」

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　30年以上も昔の記憶をたどりながら6人のオランダ人記者がベルカンプのアヤックス時代を語ってくれた。彼らに「あなたにとって、『アヤックス時代、最高のベルカンプ・モーメント』はなんですか？」と訊くと、必ず2つのゴールが含まれていた。

「ビリヤードのキューで変化を付けたようなシュート」と形容されたRKC戦のチップシュートによるゴール（1992年10月3日）

「バレリーナ」という渾名も納得。盟友ヨンクからのミドルパスをワントラップ・ロビングシュートで決めたフィテッセ戦のゴール（93年1月27日）

　オランダリーグ102ゴールという素晴らしいスタッツのことに誰一人触れることはなかった。まさに美しいゴールで人々の記憶に残る『ピッチの上のレンブラント』だった。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。