「テニス→卓球ラケットに…」大谷翔平のスイングが進化した理由　今年のエンゼルスは違う？ 開幕7試合で見えてきた脱「なおエ」の光明とは

　ここまで打者としては7試合に出場していますが、大谷のバッティングが一段と力強さを増しているのが印象的です。昨シーズンに比べてスイングする時の形、体勢が崩れにくくなっている。バッティングは、投手に向かって踏み込んでいきながら、同時に体を回転させていく動きです。イメージとして「ピッチャーの投球＝外からの力」に対して体の軸が細いと簡単に折れてしまいますよね。その体の軸が、今シーズンの大谷は一段と太く、強くなっている。

2月のキャンプでトレーニングに汗する大谷。写真からもひと回り大きくなった肉体が分かる　©︎Nanae Suzuki

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　大谷本人も、オフシーズンからしっかりトレーニングを積んでパワーアップしていることを明かしているように、まず物理的に体が大きく強くなっていることが一つの理由。さらに、下半身からしっかりと力を伝えられているので、どんなボールに対しても軸がブレることなく体勢を崩さずスイングできているのだと思います。3日のアスレチックス戦、4日のマリナーズ戦（いずれも日本時間）と2試合連続でホームランを放っていますが、2本ともスイングには余力を残しながらしっかりと飛距離が出ていました。

　さらにバッティングフォームの変化という点では、バットを振り出す角度がコンパクトになっていることが見てとれます。昨シーズンは少し下から上へと振り上げるような形でしたが、その角度が浅くなっている。少し大袈裟に言えば、昨季まではテニスのラケットでボールを打っていたのが、卓球のラケットで打つような感覚ですかね。コンパクトにするとその分飛距離は出なくなるものですが、そこを失うことなく両立できているのは、前述した軸が太くなっている効果だと言えます。

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