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「テニス→卓球ラケットに…」大谷翔平のスイングが進化した理由 今年のエンゼルスは違う? 開幕7試合で見えてきた脱「なおエ」の光明とは
text by
小早川毅彦Takehiko Kobayakawa
photograph byGetty Images
posted2023/04/09 06:00
大谷&トラウトの「トラウタニ」コンビが躍動する今季のエンゼルス
今シーズンのエンゼルスはまず、先発投手が力をつけているのがいい兆しです。開幕ローテーションは大谷以外が全て左投手という特殊な構成ですが、メキシコ代表として日本戦に先発したパトリック・サンドバルはもちろん、23歳のリード・デトマーズなど若手も力をつけている。懸案だったリリーフ陣についても、ロッキーズから移籍してきたカルロス・エステベスや、2020年にソフトバンクに在籍していたマット・ムーア、左腕のホセ・キハダなどを据えて今のところ形になっていると思います。
大谷を失いたくない…本気のエンゼルス
野手でも、大谷の女房役を務めるローガン・オホッピーが下位打線でいい働きをしている。昨季途中まで在籍したフィリーズ時代もプロスペクト・ランキングは高かったのですが、同じチームに絶対的存在のJ.T.リアルミュートがおり、フィリーズとしては泣く泣く放出した有望選手。バッティングは元々いいので、エンゼルスでも活躍が期待できるでしょう。ジェイク・ラム、ハンター・レンフロー、ジョバンニ・ウルシェラなど、今シーズン補強した移籍組も機能すれば、選手層も厚くなると思います。
昨シーズンのエンゼルスは春先こそ好調でしたが、シーズン中盤から失速しました。チームの顔である大谷の市場価値が跳ね上がっている現状で、夏場までチームが優勝争いに加わっていなければ、その時点で移籍されてしまう可能性もある。それだけは避けたい球団は本気で勝ちに行く姿勢を見せていますし、チームの戦力は実際に上がっていると思います。大谷が獅子奮迅の働きをしてもチームはあっさり敗れる、という状況も減っていくでしょう。優勝争いの痺れる状況の中で活躍する大谷の姿が見られることを期待しています。
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