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代表スタメンも“シュート0本”…ワントップ町野修斗がそれでも自信ありげに語った「プレッシャーを力に変える作業は得意」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTakuya Nakachi/JMPA
posted2023/04/05 17:03
3月28日の日本vs.コロンビア戦にスタメン出場もシュートは0本で、前半終了後に交代となった町野修斗。湘南ベルマーレに戻り、ゴール連発のストライカーが語ったのは…
「1点目は、中途半端なボールだったんで、諦めずにいったらよい形でこぼれてきた。2点目は僕のところにこぼれてきたので、味方に感謝です。3点目は、クロスでも良かったんですけど、みんなクロスを上げるなと思っていたんでシュートを選びました。4点目は、日ごろから狙っているゴールで、ヨシ(中野嘉大)君も感じて、ここというボールを出してくれてよかったです」
得点シーンは、「好調なFWのところにボールがくる」という通説があるように、この試合に限ってはそこに町野がおり、彼の得点感覚の鋭さを感じた。ただ、町野自身が「得点のシーンは良かったですけど、それ以外はいつもよりもミスが多くて、そこは反省です」と語るように、得点以外ではなかなか違いを見せることができなかった。
ラッキーなゴールだったけど、そこにいるのが彼の良さ
山口智監督は「火曜日に試合があり、中3日でコンディション的にはキツかったと思う。ラッキーなゴールだったけど、そこにいるのが彼の良さであり、そこで勝たせられるのも彼の良さで今日はゴールで勢いを付けてくれたと思います」と評価したが、そのやや硬い表情には「もっとやれる」というメッセージがこめられているようだった。
ゴールは、これでリーグ戦、通算5得点となり、開幕前に目標とした「得点王」を取るべく、得点ランキングのトップに立った。
プレッシャーを力に変える作業は得意
「まだ先が長いですし、次取れないと勢いがなくなるので、次の試合(FC東京戦)を大事にしたい」
ゴールに貪欲な姿勢を見せるが、代表の試合で表面化したポストプレーなどの課題はチームでも高められる。FWの総合力を高めていけば得点王はもちろん、町野のサイズ(185cm)があれば大化けしそうな気配が漂う。これからも代表での指定席争いはつづくが、まだまだ伸び代があり、今後も注目されていくだろう。
「代表のプレッシャーがないと伸びないと思うし、それを力に変える作業は得意なので、もっと期待してもらってもいい」
町野は、自信ありげにニヤリと笑った。
試合後、町野はチームメイトのサインが入った4ゴール記念のボールを大事そうに抱えていた。この日のように湘南、そして日本代表でゴールを重ねていけば、出場ゼロで「悔しい」と唇を噛みしめたカタールW杯の無念を晴らすチャンスが必ずやってくるだろう。
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