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ヤクルトファンが驚いた「星に何が起きたの?」 あの“野村再生工場”を思い出す…高津臣吾監督が明かした危機感「問題は投手陣。頭が痛い」
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byJIJI PRESS
posted2023/04/04 17:02
開幕3連勝と好スタートのヤクルト。しかし高津臣吾監督は浦添キャンプで“危機感”を明かしていた
8回裏に村上宗隆の“ほぼほぼランニングホームラン”が飛びだして星に4年ぶりの勝ち星が付いた。試合後のお立ち台で星は、
「ヒーローインタビューは初めてです」
と話したが、星は2023年のスワローズにとって重要な戦力になる可能性が出てきた。
もともと高津監督は昨季、星への期待を話していた。
「星の持っているポテンシャルを発揮して欲しいんですよ」
ところが昨季は7試合の登板にとどまり、2023年は正念場のシーズンとなっていた。
開幕戦を終え、高津監督は星についてこうコメントした。
「星はひじょうに状態がいいので、いい意味で使いどころに困っています。このまま長く好調が続けばいいでしょうけど、いつかやられるときも絶対来ると思うので、いろいろなことを想像、想定し、他の投手との兼ね合いを考えながら、起用していこうと思っています。でも本当に投げる球も激しい。今は一番いいと思います」
あの「野村再生工場」を思い出す
1990年代、スワローズは「野村再生工場」と呼ばれた。他球団でくすぶっていた選手、あるいはピークを過ぎた選手が甦った事例は複数に及んだ。
高津監督は「いまは、どちらかといえば育成の球団じゃないですか」と話していたが、まだ2試合とはいえ、田口がクローザーとしてそれにふさわしい風格を見せ、星の復活劇が続くのであれば、「再生工場」としても機能していることを証明することになる。
さて、今週は昨季10勝14敗1分と苦手としたドラゴンズ、そして週末には岡田彰布監督のもとで3連勝と好調な滑り出しを見せたタイガースとの3連戦が控える。
ドラゴンズ、タイガースともに投手陣の充実が伝えられるが、クリエイティブな先発起用、そして“新装”なったスワローズのブルペンがどんな働きをするのか、シーズン序盤の注目カードとなりそうだ。
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