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チェコ監督「こっぴどく激しい試合をありがとう」…WBC通訳が胸を打たれた“グッドルーザーの言葉”とは「我々は夢を持って東京にやってきた」 

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小島克典

小島克典Katsunori Kojima

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photograph byGetty Images

posted2023/03/30 17:43

チェコ監督「こっぴどく激しい試合をありがとう」…WBC通訳が胸を打たれた“グッドルーザーの言葉”とは「我々は夢を持って東京にやってきた」<Number Web> photograph by Getty Images

オーストラリア代表のデーブ・ニルソン監督とチェコ代表のパベル・ハジム監督。両チームともWBCを盛り上げた「グッドルーザー」だった

「オオタニ? それは誰だ?」中国監督の茶目っ気

「私たちのプラン? それは世界を驚かすことさ!」

 中国代表のディーン・トレーナー監督は、アメリカ人らしいユーモアたっぷりのコメントを数多く残し、通訳をした僕もずいぶん和ませてもらいました。

「大谷翔平が球場入りするバスやタクシーが遅れてきたら、勝機はあるかもね」

「(先発予定の大谷について聞かれると)オオタニ? それは誰だ?」

「残念ながら、翔平は時間通りのバスに乗ってきた」

「翔平は、いつもの素晴らしい翔平だった」

 そして練習中や試合中、トレーナー監督の横には、中国の野球界を長年牽引してきた中国系アメリカ人の元マイナーリーガー(内野手として3Aまで登り詰めた)レイ・チャンの姿がありました。過去に彼が東京ドームでホームランを放った際、ヒーローインタビューで通訳を担当したことがあり、今大会は6年ぶりの再会となりました。近い将来、このレイ・チャンが中国の指揮を取り、日本に正面から挑んでくることでしょう。

 今大会の中国代表は1次ラウンド4連敗で姿を消しましたが、元ソフトバンクの真砂勇介選手や、エンゼルスとマイナー契約を結んだ中国系右腕のアラン・カーターをロースターに加えるなど、レベルは格段に上がってきています。アジア野球界の未来に大きな期待を抱かせる彼らもまた、グッドルーザーでした。

「1球目からマン振り」チェコ野球の躍動感

 人口およそ1050万人。チェコ共和国の代表チームを率いるパベル・ハジム監督は、これまで出会った野球人の中で最もユニークな人物でした。現役時代はチェコ国内の最高峰「エクストラリーガ」で外野手兼投手として活躍し、大谷翔平より25年ほど早く二刀流を実践。さらに元アスリートの彼は、現役のドクター(神経科医)でもあります。

 ユース世代のコーチを経て、2021年12月にトップチームの監督に昇格した彼は、就任から約半年でチームをまとめ上げ、大激戦となった昨年秋のWBCヨーロッパ予選を突破。チェコ代表を初の本大会出場に導きました。

【次ページ】 「こっぴどく激しい試合をありがとう」

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