プロ野球PRESSBACK NUMBER
「開幕投手はドッキリかと…」新庄監督の“ご指名”から1年…WBC大勢に刺激もらった“教授”北山亘基が2年目の誓い「ファイターズの大黒柱に」
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph bySankei Shimbun
posted2023/03/29 17:14
キャンプ中に新庄監督から言葉をかけられる北山亘基。ニックネームは「教授」
理路整然と言葉を発する。北山はとにかく、準備には人一倍の労力、エネルギーを費やす。
甲子園も経験した京都成章高時代、プロ志望届を提出するも指名されることはなく、大学の4年間を経てのプロ入りだった。大学までの計7年間はプロ野球選手を目指して出来る限りの努力を続けてきた。
京都産業大時代には、YouTubeなどでトレーニング法や身体のケアのヒントを模索した。プラスになることなら何でも試す。西園美穂さんが配信する足指のトレーニング『魔女トレ』の動画で指の動きを研究するなど、ジャンルを問わず良いと思うことはどんどん取り入れている。
そうして、北山は2021年秋のドラフト会議で日本ハムから8位指名を受けた。支配下では76番目とギリギリの指名だったが、それでもプロ野球選手になれたことに変わりはない。北山はそう胸を張る。
「考えることだけは止めません」
学生時代から北山が大事にしていることがある。
「考えることを止めないようにしています。上手くいかない時に投げ出したくなることもありますけれど、そんな時でも次に繋げる作業は何か、考えることだけは止めません。常に知識を増やすことで、考えるための引き出しも増えました」
昨季はオープン戦で登板を重ねながら、朝起きてから試合までの過ごし方や登板までのスケジュールと公式戦を想定した準備をイメージして日々を過ごしてきた。だから、開幕当日は過度な緊張もなく迎えられた。
前述の通り、昨シーズンは開幕戦で先発した後は中継ぎやクローザーとあらゆる役目をこなした。調子が上がらない時期もあったが、それでも前だけをはっきり見続け、プロ1年目を戦い抜いた。
右も左も分からないプロの世界で、それまで自分が培ってきた、求めてきた正解に頼るしかなかったです。色んな経験をする中で、去年は実際に何が通用するのかしないのか、答え合わせはできたと思います。自分の思うものに一致した部分もありますが、思ったところと違ったこともありました。それでも自分が想像していた感覚とほぼ近かったので、1年間なんとか投げ抜くことができました」