「選手は、皆、基本技術がしっかりしていて、野球を良く知っている。皆がチームの勝利を優先し、個人プレーに走る選手などいない。また、オータニというスーパースターがおり、彼が先頭に立ってチームを引っ張る。このことが、他国に大きなプレッシャーを与えていた」

　さらに「日本は、観ていて本当に楽しいチーム。マイアミでの2試合の内容も、素晴らしかった」と褒めてくれた。そして、こんな意外なコメントも。

「スタジアムのセンター後方にあるスペースに日本人が集まり、トランペットや太鼓で応援していたよね。そんな応援スタイルはこれまで見たことがなかったから驚いて、そこまで見に行ったんだ。素晴らしいと思ったよ。選手によって固有のメロディーがあり、応援歌まであると聞いてさらに驚いた」

　そして、こう締めくくった。

「日本は景色がきれいで、食事も非常においしいと聞く。日本のプロ野球もレベルが高いようだから、野球観戦を兼ねていずれ日本へ旅行に行きたい」

各国のファンも日本野球を楽しんでいた

　フットボールもそうだが、同じスポーツが好きだと話が弾む。国籍、人種、宗教などの壁が一気に吹き飛ぶ。

　マイアミに1週間ほど滞在し、日本、アメリカ、中南米4カ国の代表の試合を観戦。各国のファンとも交流した。野球は、フットボールほど多くの国でプレーされているわけではない。しかし、中南米各国には非常に熱心な野球ファンがおり、パワフルでテクニカルな、日本とはかなり異なるスタイルの野球を心から楽しんでいた。また、彼らがMLBやWBC観戦を通じて日本人選手、さらには日本にも強い関心を持ってくれていることを知り、とても嬉しかった。

　スポーツは、世界が直面する問題をすべて解決してくれるわけではない。しかし、少なくとも世界の人々を繋げる役割を果たしていると感じた。

　＜#1、#2からつづく＞

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