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「最高だ、オオタニサン」チェコの反応は? 大谷効果で「帽子が完売」、佐々木朗希とお菓子の「その後」…WBCチェコ代表を“やっぱり好きになる”話
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水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byGetty Images
posted2023/03/24 11:03

WBCを制した侍ジャパン。1次ラウンドが終わった後も日本とチェコの心温まる交流は続いている
朗希&エスカラの「その後」
佐々木朗希投手とウィリー・エスカラ内野手(24)との心温まる交流にも「続き」があった。エスカラは日本戦で佐々木から膝にデッドボールを受けるアクシデントがあったが、その2日後に佐々木から宿泊先ホテルに訪問を受け、お詫びに2つの袋いっぱいのお菓子を贈られ感激していた。チェコに帰国後、そのときの佐々木とのツーショット写真を、「Respect」の言葉、そして日本とチェコを握手でつなぐ絵文字を添えて投稿し、決勝ラウンドに進む佐々木にエールを送っていた。
チェコ代表チームのパベル・ハジム監督は大会中「今回の代表メンバーは、野球にかける情熱、ハードワーク、人柄を重視して集めた」と明かしていた。侍ジャパンもそうだがチェコ代表は、プレーだけでなくフィールド内外で垣間見せる選手たちの人柄が、これほどまでに人の心を動かすのだということを示してくれた。
3月下旬から国内リーグ開幕
先述した佐々木との交流で話題になったエスカラは、実はアメリカのフロリダ州マイアミ生まれ。父がキューバ、母がチェコの生まれであることからチェコ代表入りの資格があり、今回初めてチームに招かれた。昨年までマイアミ大学に所属しNCAA(全米大学体育協会)の最上位レベル「ディビジョン1」でプレーし、卒業後は米独立フロンティアリーグに所属。そのため代表チームに入るまで、チェコでは誰にも知られていない存在だったが、WBCでの懸命にプレーする姿や、デッドボールで膝を痛めても必死にこらえながら何でもない顔をしてプレーを続けたその気持ちの強さで、チェコでも一躍人気者になったという。
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「母からチェコで盛り上がっていると聞いた。たくさんの人からメッセージももらったと言っていた。日本戦のあの満員の観客の中でプレーした雰囲気は本当にクレイジーだったけど、遠く離れたチェコの人たちも、その雰囲気を感じてくれていたんだ」
エスカラはそう話していた。
この大会がきっかけでチームメイトとの親交も深まり、SNSにはチェコでジーマ主将と名物のビールで乾杯する姿も投稿されている。3月下旬からはチェコ野球リーグのエクストラリーガが始まるが、エスカラは今季、プラハに次ぐ第2の都市ブルノのチームと契約しプレーすることが決まったそうだ。米独立リーグでのプレーも継続するためフルシーズンの参戦とはいかないが、リーグの序盤と終盤に出場する予定だという。