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「WBC優勝と栗山マジック」MVP大谷翔平の完璧二刀流、ヌートバーや村上宗隆らを信じ続け、“使えない投手”を生まず…名将な成績の数々
posted2023/03/23 17:01
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Naoya Sanuki
アメリカラウンドの2試合は1点差勝負になったが、終わってみれば7戦全勝。侍ジャパンは完勝で3回目の世界一になった。興奮も冷めやらぬ中だが――侍ジャパンの今大会の戦績を写真とともに振り返ろう。
失策が少なく、3~4回に集中打を浴びせるスタイル
〈1次ラウンド〉
●中国1-8日本〇
●韓国4-13日本〇
●チェコ2-10日本〇
〇日本7-1オーストラリア●
〈準々決勝〉
●イタリア3-9日本〇
〈準決勝〉
●メキシコ5-6日本〇
〈決勝〉
●アメリカ2-3日本〇
総得点は56点、総失点は18点。打った安打は66本、打たれた安打は44本。喫した失策は2つ、相手の失策は5つ。力量差のあるチームもあったが、総じて失策の少ない引き締まった試合だったと言えよう。1回から9回まで、イニングごとの得失点を集計すると――以下のようになる。
得点/4・4・11・8・7・5・8・7・2
失点/1・1・3・3・3・2・0・4・1
日本は7試合中初回に得点したのは2試合、先制攻撃が得意とは言えなかった。しかし初回の失点も1点だけ。非常に手堅い立ち上がりだったと言えよう。そして打順が一巡した3回、4回に19得点と集中して相手を突き放し、その後も得点を重ねた。相手投手の特徴や配球を1度目の打席で把握して、2度目の打順が回るまでに各打者が対策を立てていたことが分かる。9回に得点が少ないのは、日本が後攻で9回裏の攻撃がなかった試合が5つあったため。2得点は準決勝メキシコ戦での村上宗隆の劇的なサヨナラ二塁打によるものだ。
野手の7試合成績を見ると前後半で好不調がくっきり
7試合の内容を見ていくと、打線については1次ラウンドの4試合と、準々決勝以降の3試合では、好不調の選手がくっきりと分かれていることが分かる。
〈1次ラウンドPoolBの4試合〉
ヌートバー4試14打7得6安0二0本3点2盗4球 率.429
近藤健介4試15打7得7安4二1本5点0盗5球 率.467
大谷翔平4試12打5得6安2二1本8点1盗7球 率.500
村上宗隆4試14打2得2安0二0本2点0盗5球 率.143
吉田正尚4試12打2得5安1二0本8点0盗2球 率.417
岡本和真4試10打2得2安0二0本1点0盗5球 率.200
中野拓夢4試10打5得3安0二0本0点2盗4球 率.300
牧秀悟4試10打2得3安0二2本2点0盗1球 率.300
山田哲人3試9打1得2安0二0本2点1盗2球 率.222
甲斐拓也2試7打0得1安0二0本2点0盗2球 率.143
中村悠平2試5打3得3安2二0本1点0盗2球 率.600
山川穂高2試5打0得1安0二0本1点0盗0球 率.200
源田壮亮2試4打1得1安0二0本1点1盗2球 率.250
大城卓三2試2打0得0安0二0本0点0盗0球 率.000
牧原大成4試2打1得1安0二0本1点0盗0球 率.500
周東佑京4試1打0得0安0二0本0点0盗0球 率.000