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村上宗隆はなぜ自分の可能性を信じ続けられたのか? 過去発言から読み解く「もっとやれたんじゃないのか」「一番怪物だったのは…」
posted2023/03/22 18:02
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Getty Images
メジャー顔負けの超速弾同点ソロ
<名言1>
あそこで球場が一気に盛り上がって、完全にひとつになったなと感じました。
(谷繁元信/NumberWeb 2023年3月18日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/856847
◇解説◇
苦しみ、悩み続けた村上宗隆がWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)決勝の大舞台で侍ジャパンの起爆剤となった。
現地時間21日(日本時間22日)アメリカ戦、2回表にトレイ・ターナーの先制本塁打で1点を先制された日本だったが、直後の攻撃で先頭打者の村上が相手先発メリル・ケリーの初球ストレートを迷うことなくフルスイング。試合後、テレビ朝日のインタビューで「完璧です」と村上本人が語った一撃は、アメリカのデータ専門Twitterの「ESPN Stats & Info」によると打球速度115.1マイル、キロ表示にするとなんと「185キロ」というメジャー顔負けのパワーを見せつけた。
前日のメキシコ戦では劇的な逆転サヨナラ2点二塁打を放った村上だったが、今大会序盤戦は快音が聞かれなかった。1次ラウンド時点での打率は.143、2打点7三振。ボールを見極めようという意識があったのか出塁率は.350をマークしていたものの、ラーズ・ヌートバー、近藤健介、大谷翔平の上位打線が機能していた中で、走者を還す役割をなかなか果たせていなかった。
“小さなズレ”が、打席を重ねるなかで…
転機は準々決勝イタリア戦でやってきた。4-2とリードするも2点差に迫られた5回、めぐってきたチャンスで初球からスイングをかけると、村上らしい強い打球が左中間を抜ける中越えのタイムリー二塁打となった。
「もう腹をくくっていたんでしょうね」
2006年のWBC優勝メンバーである谷繁氏も、村上の一打についてこう話すとともに、こうも分析していた。