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「大谷翔平は侍ジャパンを楽しんでいる」ヘルメット“投げ捨て”に雄叫びも…本人が語っていた“勝利への執念”「僕の才能は“伸び幅”」
posted2023/03/21 17:00
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
JIJI PRESS
<名言1>
どこまで行けるのかは僕にもわかんないんですよ。それよりも、勝たないといけない。
(大谷翔平/Number1040号 2021年11月18日発売)
◇解説◇
絶体絶命の逆境でも、大谷翔平は勝利を追求するスーパースターとして輝きを放った。現地時間20日(日本時間21日)にアメリカ・マイアミで行われたWBC準決勝メキシコ戦、大谷翔平は「3番DH」でスタメン出場すると、2安打1四球をマーク。つなぎ役としての役割を全うして、6-5の劇的逆転サヨナラ勝利に貢献した。
大谷の決意「勝つ。チームを勝たせる」
この日の日本はメキシコ先発左腕サンドバルの好投の前に苦しんだ。大谷も所属するエンゼルスでは仲の良い戦友相手に、第1打席は見逃し三振に切って取られたものの、4回の第2打席では鋭いセンターライナーを飛ばす。そして6回の第3打席にはこの日再三の好守を見せたレフトのアロサレーナの前に落とすヒットを放つと、続く7回2死一塁の場面で四球を選び、チャンスメイクで続く4番吉田正尚の同点3ラン本塁打を導いた。
そして4-5の1点ビハインドで迎えた9回裏、先頭打者は大谷。相手守護神のガイェゴスの初球ストレートを打つと、センター方向にボールが転がる。それを見て大谷は一塁を蹴る前に自らヘルメットを脱ぎ捨て激走。チームを鼓舞するかのような一打になった。吉田が四球で続くと、今大会苦しんでいた村上宗隆の劇的なセンターオーバーのタイムリー二塁打で逆転勝ちを手にした。
そんな大谷が世界のスーパースターとなったのは2021年のこと。打っては138安打、103得点、100打点、投げては130.1投球回、156奪三振。今季最終戦で前人未到の「クインティプル100」を達成し、ア・リーグMVPに輝いた。二刀流を続けていく上で最高の結果を残したシーズンとなったが……大谷自身、それを続ける最大の理由は自身のスタッツのためではないと断言している。
「勝つ。チームを勝たせる。それは、自分ひとりの力だけではどうしようもないことではあるんですけど、そこを目指してこそ、僕が二つをやる意味があると思っています」