酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
〈大谷翔平が帽子かぶり〉WBCチェコ代表は「楽しそうな上に進化」していた…観戦3度目の筆者も感服「兼業選手の幸せな多様性」
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byCTK Photo/AFLO
posted2023/03/18 17:01
チェコ代表の投手ジェフ・バート。子供とともに東京ドームと野球を楽しむ姿は、日本のファンの心をつかんだ象徴とも言えよう
大谷がかぶっていた「チェコ帽子」のカッコよさと多様性
大会期間中、東京ドームの周辺でチェコの「CR」チームマークがついたベースボールキャップを被った外国人の一団を何度も見かけた。スマートなデザインで“この帽子、売っているなら欲しい”と思ったし、羽田からマイアミへの移動後、大谷翔平がチェコ代表の帽子をかぶっていたのも何か納得できる。そしてチェコからやってきたファンや家族は、母国では絶対に見ることがない「野球の試合でのロックコンサートのような壮大な盛り上がり」を存分に楽しんだのではないか。
日本の野球選手は、小さなころから野球ひと筋で競争を勝ち抜き、スター選手になる。WBCでは「勝つこと」に集中する。
しかし、チェコの野球選手にとって野球は、生活の一部に過ぎない。技量的には見劣りするかもしれないが、それでも野球を存分に楽しみ、ときには相手チームのスター選手を脅かすようなプレーをも見せたのだ。
ヨーロッパの野球のレベルは年々高くなっていると実感するが、彼らのような「日曜野球選手」の広がりが、野球のダイバーシティ(多様性)を拡げるのではないか。
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