山崎といえば、もう一つ欠かせないワードが「吹田の主婦」である。栗林の離脱が濃厚になり、代替選手として山崎の名前が挙がり始めると、「吹田の主婦」がツイッターのトレンド入り。昨年のCSや日本シリーズでも、山崎がマウンドに上がるたびに同じ現象が起こった。

「吹田の主婦」とは、2020年12月に行われたオリックスのファンフェスタで山崎が扮したキャラクター。杉本裕太郎の発案により、上半身裸にエプロンという姿で、杉本が扮した「神戸のパティシエ」、近藤大亮の「京都の和菓子職人」とともに登場した。そのインパクトが強烈だったため、昨年終盤の山崎の活躍とともに、「吹田の主婦」が脚光を浴びた。吹田市も公認で、グッズまで発売された。

　昨年11月のファンフェスタでは、宇田川も、「吹田の主婦」のママ友の「芦屋のマダム」という設定で2人揃って登場。宇田川は裸にエプロンだけは断固拒否したそうだが、こちらもなかなか強烈なキャラクターで、ファンは盛り上がった。

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　今回の山崎のWBC追加招集で、「ついに『吹田の主婦』が世界に知られてしまう」「『吹田の主婦』と『芦屋のマダム』が揃って世界へ」とオリックスファンは沸いている。

野茂直伝のフォーク…胸熱な対決とは？

　中嶋監督の決断、ライバル宇田川の存在、そして「吹田の主婦」というキャラクターとの出会いで、人気、実力ともにオリックスを代表する選手となった山崎が、次は侍ジャパンの一員として世界へ。

　オープン戦でWBC球を使用し準備していたとはいえ短期間で対応しなければいけない点や、大会中にチームに加わる難しさは並大抵のことではないが、持ち前の社交性や前向き思考で、この緊急事態もプラスに変えてくれるのではと期待してしまう。そして、レジェンド直伝の新たな武器が、国際大会で日の目を見るかもしれない。

　山崎は、2月のオリックスキャンプを訪れていた野茂英雄さんからフォークの投げ方を教わった。

「（昨年までの）前のフォークは落ちなくて、角度でごまかそうとしていたんですけど、今日教わったのはピュッと、落ちる感覚が良かった。『これがフォークか』ってわかったんですよ」と山崎は好感触を口にした。

　取材中たまたま通りかかった宇田川に視線を送り、「やつのフォークの足元見えたかもしれないっす」と笑っていた。

　その後、実戦で何度か投げている。

　16日の準々決勝で対戦するイタリアの指揮官は、かつてメジャーリーグのドジャースで野茂さんとバッテリーを組んだマイク・ピアザ監督だ。その目の前で、野茂さん直伝のフォークを披露することになったら……胸熱すぎる。

　そもそも登板機会があるかどうか、覚えたてのフォークを投げるかどうかわからない。だが、密かな見どころでもある。

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