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「クボは好きだよ。いつか…」古巣少年ファンが愛する久保建英21歳「マジョルカ帰還で大拍手→元戦友とハグ」を撮って感じたこと
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2023/03/16 11:05
昨季を含めて2シーズン所属したマジョルカ戦。久保建英は途中出場だった
試合は開始から2分20秒、ソシエダの2トップとして先発出場のカルロス・フェルナンデスが先制ゴールを挙げた。中盤でメンデス、シルバ、そしてボックス内のフェルナンデスへ繋げたパス回し、さらにゴールを奪った時間帯のよさもあって、この試合でソシエダ復調を期待するには十分なスタートだったが……。
イ・ガンインのゴール、出場を催促する久保の視線
両チームの順位を見れば、先制点を挙げたソシエダがゲームを優位に進めていくと思われたが、マジョルカをいなすようなゲーム運びを行うことはできず、マジョルカの集中力の高いプレッシングを前に、スムーズにボールを持ち運ぶことができなかった。
後半は一進一退のゲーム展開に入り、50分、アブドゥンが競り合ったこぼれ球にいち早く反応したイ・ガンインが、詰めよるソシエダDFに競り勝つ。するとGKレミロを冷静にかわし、ゴールに流し込んだ。同点ゴールを奪ったイ・ガンインは、ゴール裏の熱狂的サポーターとともに喜びを分かち合った。
また、この日スタジアムには多くの韓国人ファンも詰めかけていて、大きな声援をイ・ガンインへ届けていた。
アップゾーンからは、久保が投入を催促するような眼差しでベンチを見つめる姿も。しかしソシエダのイマノル監督は63分に先制点のフェルナンデス、70分にはオヤルザバルに代えてそれぞれセルロート、チョを投入する。あくまでこの試合では久保を温存したいという思惑を感じることはできたが、得点を奪うことはできずに試合が進むと、たまらず81分、シルバに代わって久保を投入した。
久保の名が交代選手としてアナウンスされると、マジョルカファンから大きな拍手が湧きあがった。そして久保もそれに応えるようにピッチに駆け入った。
右サイドに入った久保は、マジョルカ時代には縦の関係として共闘したマフェオと対峙する場面が多く見られた。ドリブルで縦に仕掛け、またカットインからクロスを送り込むなどしたが、わずかな出場時間で決定機を創出することまではできなかった。
試合終了後、マジョルカ選手と再会を懐かしみハグ
同点のまま終了のホイッスルが鳴らされると、マジョルカDFジョバンニが久保に近寄り熱い抱擁をかわした。それに続いて、イ・ガンイン、アブドゥンなども久保との再会を懐かしむ姿が見られた。
一度選手がピッチを引き上げた後、出場のなかった選手が調整のためピッチに再度現れた。通常、交代で出場しても出場が10分ほどの場合は、この調整に参加することが多い。しかしこの日の久保は姿を現すことがなかった。それほどまでに疲労のピークが来ていることは、これまでの出場時間を考えても想像に難くない。