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“5年123億円”のマッチョ打撃…「ドン、ドンッ、上空でさらにドンッ」侍アベレージヒッター吉田正尚が「室伏広治さんから学んだこと」とは

posted2023/03/12 17:06

 
“5年123億円”のマッチョ打撃…「ドン、ドンッ、上空でさらにドンッ」侍アベレージヒッター吉田正尚が「室伏広治さんから学んだこと」とは<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

走者の還し役として侍ジャパンで機能する吉田正尚。彼の打撃力の背景とは

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Naoya Sanuki

WBCで注目のメジャーリーガーは大谷翔平、ヌートバー、ダルビッシュ有だけじゃない――。侍ジャパンの吉田正尚が重要な場面でタイムリー安打を連発し、侍ジャパンの打撃陣を支えている。マッチョマンで知られる彼の知られざる秘話とは。雑誌「Sports Graphic Number」「NumberWeb」に掲載された記事のなかから「名言」や写真を紹介します。

<名言1>
打ち出しでドンッ、そこからドン、ドンッ、上空でさらにドンッともうひと伸び、そんな打球が理想です。
(吉田正尚/Number977号 2019年4月25日発売)

◇解説◇
「マッチョマン」と称される吉田のスイングが連日のように得点をたたき出してくる。10日の韓国戦、3回にヌートバー、近藤健介のタイムリーで完璧に流れに乗った中で、吉田はセンター前に運ぶ2点逆転タイムリーヒットを放った。さらに5回の犠牲フライに6回の適時打など3安打5打点の大暴れで、13-4の圧勝に大きく貢献した。

 さらに11日のチェコ戦、相手先発サトリアが放るスローボールに侍打線が苦しむ中、0-1のビハインドで迎えた3回2死一、二塁のチャンスで吉田はしっかりとレフト線に逆転タイムリー二塁打を放ち、チームにグッと流れを引き寄せた。1次ラウンド3試合での成績は8打数5安打8打点。さらに4四死球と、高い出塁力とランナーを還すチャンスでの強さは日本代表になくてはならない存在となっている。

高校1年からずっと主砲の座

 侍ジャパンに選出されたメンバーは、素晴らしい球歴を持っている。もちろん吉田もその例に漏れずだ。

 敦賀気比高校時代には、1年生にして夏の甲子園で4番打者を任されると、青山学院大でも1年春から主砲の座を守り続けた。吉田はアマ時代の経歴を買われて、オリックスが2015年のドラフト1位で指名。プロ1、2年目こそ負傷によって出場は60試合ほどにとどまったものの、2年連続2ケタ本塁打をマークするなど才能の一端を見せる。そして3年目の2018年に打率.321、26本塁打の成績を残し初のベストナインに輝いた。さらに2020、2021年には2年連続で首位打者を獲得。さらにフルスイングを見せながら非常に低い三振率を誇り、当代きってのアベレージヒッターと言えよう。

 そして2022年の日本シリーズで見せた劇的なサヨナラホームランのように……身長173cmと小柄とも言える体格ながら、全身のバネを使ったフルスイングから放たれる弾道は日本人離れしたものがある。「バリー・ボンズとかブライス・ハーパーがずっと好きなんです」と、メジャー最強のパワーヒッターの名前を挙げつつ、マンガのような理想のホームラン像を語るあたり、スケールの大きさを感じさせる。

「ラオウ」も「一番いいバッター」と認めるワケ

<名言2>
誰がどう見ても、あいつが一番いいバッター。
(杉本裕太郎/NumberWeb 2021年9月18日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/849875

◇解説◇
 吉田は大学時代の先輩で、オリックス時代の戦友の覚醒も導いている。それは「ラオウ」の愛称で知られる杉本だ。

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