2022年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
M-1最下位、ダイヤモンドが真相を告白「ウケなさ過ぎて…“怖さ”も感じました」ネタの途中で焦った「ああ、無理だ。もう最下位だな…」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byAtsushi Hashimoto
posted2023/03/12 17:02
結成5年で初めてのM-1決勝だったダイヤモンド。野澤輸出(ネタ作り担当、写真左)と小野竜輔。吉本興業所属
小野 新ネタもまったく作る気にならなかった。お客さんも松葉杖が気になって、ネタの内容なんて頭に入ってこないみたいで。4月くらいまでは何も楽しくなくて。ほんとにしんどかった。
野澤 出だしは相当、遅かった。
小野 僕は今年はM-1はもう無理だなと思っていたんです。ネタが仕上がらなかったら、もう出ないでおこう、と。
――それでも何とか間に合わせ、初めて準決勝までたどり着いたわけですね。準決勝の手応えはどうだったのでしょうか。
小野 初めてだったので、正直、わからなかった。
野澤 僕は行けたかなとは思っていたんですよ。
「LINEだけで、300件以上お祝いメッセージが来た」
――準決勝の後、ファイナリストが発表されるまで、2時間ほど時間が空きます。あの時間は、どのように過ごしていたのですか。
小野 僕は居酒屋で、キュウのぴろとウエストランドの河本さんと一緒にいました。僕の人生の中で、いちばん長い2時間でしたね。みんな、あんまりM-1の話には触れないようにしているんですけど、誰かがスマホでエゴサするとその反応をうかがったり、ちょっと静かになったときに誰かがハァーとため息をついたり。その空気感はめちゃくちゃリアルでしたね。
野澤 僕はファミレスで飯を食ってました。THIS ISパンの岡下さんと、マユリカの中谷とダンビラムーチョの原田と4人でした。
――ファイナリスト発表のとき、ダイヤモンドは、最初に名前を呼ばれたんですよね。
野澤 びっくりして、そのあと、2、3組、名前を聞き逃しました。
小野 僕も最初は「えっ?」って。今、ほんとに呼ばれたの?って。ただ、そこからずっと携帯の振動が止まらなくなって。受かったんだな、と思いました。LINEだけで300、400件くらいメッセージが入っていましたから。
――携帯の震えでM-1ファイナリストを実感するって、いいですね。
野澤 僕も(宇都宮)高校時代の1回もしゃべったことがないような人からもLINEが来ました。誰?って。僕はそれで実感しました。
<続く>
(写真=橋本篤)
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。