2022年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
M-1最下位、ダイヤモンドが真相を告白「ウケなさ過ぎて…“怖さ”も感じました」ネタの途中で焦った「ああ、無理だ。もう最下位だな…」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byAtsushi Hashimoto
posted2023/03/12 17:02
結成5年で初めてのM-1決勝だったダイヤモンド。野澤輸出(ネタ作り担当、写真左)と小野竜輔。吉本興業所属
野澤 途中から、かなり焦ってしまいました。ああ、無理だな、って。ウケようと思って、めっちゃ大きな声を出してみたり。ウケなさ過ぎて、どこかでネタが飛んで、ぐちゃぐちゃになっちゃうんじゃないかという怖さもありました。どうであれ、もう最下位だなと思ってやっていました。
――今回は「新しい日本語」というネタで、普通の電車のことを「地下鉄」の逆で「地上鉄」と言ったり、普通の野菜のことを「無農薬野菜」の逆で「農薬野菜」と言ったりする内容のものでした。通常の寄席とかであれば、ネタの途中で何かしら修正は可能だったのでしょうか。
小野 あのネタに関しては、やりようがないですね。
野澤 ギチギチに詰め込んだネタだったので、遊べるところがない。なので、スベッたらもう終わりというか。
――でも、あのネタは、ああやって畳み掛けるところがよかったんですよね。
小野 予選のときは、それがよかったんでしょうね。ただ、決勝になったら、もうちょっと余白のあるネタの方がいいのかなとは思いました。
――今大会は3回戦から準決勝も、あのネタでした。あのようにずっと同じネタをかけ続けることはけっこうあるのですか。
野澤 いや、ないです。今までは替えていました。ネタバレするとウケなくなっちゃうので。
小野 今のM-1はネット配信があるので、3回戦、準々、準決勝と全部替えるのが主流なんです。今大会は新ネタを2本用意していたんですけど、もう1本のネタがなかなか完成しなくて。やろうとしたタイミングもあったのですが、直前になって、やっぱりやめとこうってなっちゃったんです。
「足の骨折で3カ月間、何もウケなかった」
――昨年は、野澤さんが新年早々、「よしもと∞ホール」の舞台の階段で転んで足を骨折するというアクシデントからスタートしたんですよね。舞台に立てるようになったのは、いつ頃からだったのですか。
野澤 3カ月くらい松葉杖を手離せなかったのですが、2月くらいには、もう舞台に立っていました。ただ、そんな格好だと、普通のネタをやってもぜんぜんウケない。なので、骨折をネタにしたショートコントばっかりやっていましたね。