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「じつはヌートバーは“全然打てないマイナーリーガー”だった」米国記者もビックリ“異例のスピード出世”…ヌートバー25歳はなぜ覚醒したのか? 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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posted2023/03/12 11:04

「じつはヌートバーは“全然打てないマイナーリーガー”だった」米国記者もビックリ“異例のスピード出世”…ヌートバー25歳はなぜ覚醒したのか?<Number Web> photograph by AFLO

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ヌートバーが“別人”になった練習方法

 ドライブラインについては、ベン・リンドバーグとトラビス・ソーチックによる「アメリカン・ベースボール革命」(化学同人)に詳しいが、徹底した動作解析に定評があり、弱点を洗い出してトレーニング、そして技術改良の処方箋を伝授する。

 ドライブラインを世に知らしめたのは2020年にサイ・ヤング賞を手中にしたトレバー・バウアーだが(いろいろと問題があり、ドジャースから契約を解除された)、大谷翔平もドライブラインでのトレーニングが2021年のブレイクスルーを生み出したと見られている。大谷は試合前、フェンスに向かって100グラムから2キロまで重さの違うカラフルなボールを投げているが、これはドライブラインが発案した故障防止と球速が増すメソッドだ。

 ヌートバーは2020年3月にドライブラインでトレーニングを開始、短期間でスイングスピードが8マイル(およそ12.8km/h)上がったというレポートがドライブラインのホームページに掲載されている。

https://www.drivelinebaseball.com/2022/04/st-louis-cardinals-how-lars-nootbaaradded-8-mph-of-bat-speed/

 この記事は、マイナーリーガー時代のヌートバーが記録されている点で貴重である。

 ドライブラインでは、打撃の改造にあたって次の3点を強調している。

(1)スイングスピード

(2)スマッシュファクター(スイングと打球の速度から割り出すミート効率の数値)

(3)スイングディシジョン(ボールの見極め)

 野球はスイングスピードを争う競技ではないが、これらの要素を見事に自分の技術として取り込んだヌートバーは「別人」になっていた。

カージナルス番記者「名門の期待以上のスピードで成長した」

 2020年、マイナーリーグの試合はキャンセルされたが、2021年のスプリングトレーニングで頭角を現すと、AAAのメンフィスでプレー。35試合で打率.308、本塁打6本と活躍し、メジャーリーグへと昇格した。コロナ禍ということもあったが、これだけマイナーでの打席数が少ない状態で球界の最上位へと上り詰めたことで、野球ブロガーの間で大きな話題となっていた。さらに、2022年の初夏までに、ヌートバーはレギュラーを獲得するまでになっていた。番記者は、

「ヌートバーはカージナルスが与える課題を次々にクリアしていっただけでなく、名門の期待をはるかに超えるスピードで成長を遂げたのである」

 と書いた。

【次ページ】 カージナルス番記者「名門の期待以上のスピードで成長した」

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