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「ユニフォームを汚せ!」WBC大活躍ヌートバー“全力疾走&スーパーキャッチ”の秘密…侍ジャパンで“泥臭く頑張る”25歳の日常とは?
posted2023/03/12 11:03
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Nanae Suzuki
WBC韓国戦で、日本代表のラーズ・ヌートバー(25歳)が5回表の守備で見せた魂のダイビングキャッチや、7回裏に相手の隙を突き二塁を陥れた泥臭い好走塁に、きっと「そうそう!これこれ!」と頷いていたことだろう。
ヌートバーが所属するセントルイス・カージナルスで2002年から6年間プレーし、ワールドチャンピオンに輝いた経験を持つ田口壮(現オリックス外野守備・走塁コーチ)である。
カージナルスの伝統「ユニフォームを汚せ」
ちょうど韓国戦が始まる1時間ほど前、オリックスのオープン戦を終えて京セラドーム大阪をあとにする田口に話を聞くと、前日行われたWBC中国戦でヌートバーが見せた全力プレーを振り返り、誇らしげに語った。
「セントルイスの選手だったら当たり前だと思う。プレースタイルにもちゃんと伝統があって、“ユニフォームを汚せ”というスタイルのチームなので。もともとセントルイスの選手たちは“ガスハウス・ギャング”って言われていたんです。試合が終わったあと絶対ユニフォームが真っ黒になっているから」
1882年創設の歴史ある球団・カージナルスは、かつて全員がハードワークするプレースタイルでファンの心をつかみ、ガス工場の労働者が仕事を終えると真っ黒になっている姿になぞらえて、「ガスハウス・ギャング」と呼ばれるようになったのだという。
アグレッシブで泥臭く、献身的なプレー。それは世界一を目指す日本代表にも必要なものだ。それをもっとも体現しているヌートバーが、日本のチームメイトに、ファンに愛されるのは当然だろう。