“ずっとスタメンの男”牧秀悟（24歳）は侍ジャパンを世界一に導く？ 恩師たちが語る“牧を外せない”理由「この子を育てられなかったら…」

　牧秀悟（24歳／横浜DeNAベイスターズ）は、高校・大学時代から常にチームの中心選手として活躍してきた。一時的な怪我の期間を除けば、入学直後から卒業までスタメンで起用され続けている。そして、2021年にドラフト2位で入団した横浜DeNAベイスターズでもルーキーイヤーからポジションを獲得し、侍ジャパンに選出されるほどの活躍を見せてきた。

　牧はどんなキャリアを歩んできたのだろうか。恩師たちのもとを訪ねた。

©︎Hideki Sugiyama

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強豪校ではなく、俺たちの世代で

「動じない選手だな」

　牧の母校である松本第一高校で野球部監督を務めていた櫻井正孝さん（現・長野俊英高校 野球部統括責任者）は、第一印象をそう振り返った。

　牧との出会いは中学3年生の頃。打撃では器用に逆方向に打球を飛ばし、肩も強い。主に遊撃手と投手をやっていた少年の堂々としたプレーぶりが櫻井さんの心に残った。

　すでに県内では名の知られた選手だったが、牧は甲子園出場経験のない松本第一に進学する。

「声をかけたのが早かったこともありますが、（牧が在籍していた）長野若穂リトルシニアから複数人で入学してくれました。たぶん牧が声をかけてくれたんじゃないですかね。影響力がありますから」

　強豪校で甲子園を目指すよりも、俺たちの世代で初めての甲子園へ導こう――そう考えたのではないか、と櫻井さんは想像する。

松本第一高校時代の牧を指導した櫻井正孝さん　©︎Yu Takagi

　入学直後の春の地区予選こそ背番号はふた桁だったが、1年夏の県大会からは背番号「3」を託された。勝負強く練習試合で結果を残していただけに文句なしのレギュラー入りではあったが、牧はそこでひとつも気後れする素振りは見せなかった。

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