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「大谷翔平の通訳さんがナゼWBCに?」水原一平氏の“ベンチ入り”は栗山監督たっての希望だった…本人が明かす「“31人目の侍”の多すぎる仕事量」
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byNanae Suzuki
posted2023/03/06 17:18
通訳の水原一平氏も大谷翔平とともに侍ジャパンに合流。本番でも通訳として重要な役割を担うという
“焼肉決起集会”にも参加、水原通訳は“31人目の侍”
それにしても縦横無尽の働きぶりだ。今年2月中旬に、大谷と共に渡米しアリゾナ州テンピで行われたエンゼルスのキャンプに同行。メジャー6年目のシーズンに向け準備を進める大谷を公私に渡ってサポートした後、3月1日にプライベートジェットで羽田空港に到着した。3日にはやはり大谷とプライベートジェットに同乗して県営名古屋空港へと移動し、代表に合流。以降は侍ジャパンのスタッフとしてチームを支え、5日夜に大阪市内の焼肉店で行われた選手30人が全員揃った決起集会の席にも、その一員として参加していた。1次と準々決勝ラウンドを勝ち抜き、準決勝進出となれば決戦の地・マイアミへ。“31人目の侍”として戦う夢舞台が終われば、再びエンゼルスで大谷を支える仕事に戻る。
大谷との付き合いは、日本ハムに“同期入団”した2013年から10年になる。その献身的なサポートの価値は、2021年シーズンに大谷がアメリカンリーグのMVPを獲得した際、エンゼルスが球団独自の賞として「MVI(最優秀通訳)」を贈ったことに何より表れている。メジャーリーグのスーパースターとなって日本代表に戻ってきた大谷。その存在とチームメートをつなぐ架け橋として、日系選手初の代表入りを果たしたヌートバーの支えとして、そして栗山監督の頼りになる通訳として――。水原氏の活躍を誰より喜んでいるのは、最も心を許す相棒と共に戦い抜ける大谷翔平その人だろうか。
水原一平(みずはら いっぺい)
1984年、北海道生まれ。6歳でアメリカに。'13年~日本ハム専属通訳としてウルフ、レアード、メンドーサらを担当する。2018シーズンより、大谷の専属通訳としてエンゼルスに所属。WBC日本代表では、ヌートバーの通訳などを担当。
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