というのも語りたくなる理由がいくつかあった。

・ドーム興行の2カ月前なのに相手が発表されてないのは異例

・元日の武道館興行に中邑真輔（WWE）を招聘するのであれば、その後に控えるドーム大会ではそれ以上、もしくは同じくらいのインパクトがある相手では？

　これらの考えを元に「実はとんでもない大物と交渉中なのでは？」と武藤の引退相手について盛り上がったのである。

　そして斎藤＆堀江のプロのお二人が一致して予想していた武藤の引退相手が「ザ・ロック」であった！

　世界最大のプロレス団体WWEが生んだスーパースターであり、今やハリウッドスター「ドウェイン・ジョンソン」であるロック様である。 

　まさかという予想だが、これが考えれば考えるほど辻褄が合っていくのであった。斎藤さんはアメリカの人脈も駆使して情報を探ってくれた。するとどんどんリアルな話が出てきたのだ。

　結果的に予想は外れたがプロレスファンにはかなり好評だった。みんなでワイワイ考える、過程や予想を楽しむという、プロレスファンが大好きな要素が今回の「武藤引退相手予想」には詰まっていたからである。
（※そして当の武藤自身も「ロックも考えたけど無理だった」とそのあと証言した。詳しくは『KAMINOGE』134号でご確認を）

　武藤の引退相手として発表されたのは内藤哲也だった。私たちの座談会でもロック以外の候補として内藤の名前も挙がっていたが、おこなわれた試合を見たら内藤哲也でやっぱり良かったとしみじみ感じた。内藤は武藤のレスラー人生をすべて受けとめた試合を見せてくれた。

最後のリングで内藤を相手に、自身が開発した技「シャイニング・ウィザイード」を決める武藤　©JIJI PRESS

ファン垂涎のサプライズ

　サプライズは引退試合が終わったあとだ。武藤が衝撃の「提案」をしたのである。 

《最後のマイクアピールでファンへのメッセージを伝えている最中に「どうしてもやりたいことが一つあるんだよな。蝶野！ 俺と戦え！」と要求したから、さあ大変だ。》（2月22日・東スポWEB）

　蝶野正洋は2014年4月を最後にリングから遠ざかり、現在は脊柱管狭窄症からの復活を目指している。武藤のデビュー戦の相手であり、「闘魂三銃士」の盟友であり、武藤と言えば蝶野である。そんな2人がここで揃う。

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