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東大卒プロ投手に信頼された捕手…喜入友浩アナが考える“報道とスポーツ実況の共通点”「大越健介さんもそう思われているそうですが」
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byTakuya Sugiyama
posted2023/02/18 11:17
TBS喜入友浩アナウンサーはスポーツ実況を経験したのち、報道のフィールドで奮闘している
「TBSではラジオでの野球実況というものがあって、これが特殊技能なんです。映像も何も情報がなくても目の前で起きていることをしゃべって、聴いている方々にお届けするというのは文化であり、伝統でもあります。そこにあこがれを持ちましたし、身につけて一つ自分自身の武器にしようと思いました」
近年は映像配信が一般的になったが、ラジオで野球中継を聞くという文化は昭和の時代から長らくあった。その歴史の積み重ねがあるからこそ、野球好きなら〈佐々木朗希、第4球、投げました……三振！ 低めに沈むスプリットで打者のバットが空を切りました〉、〈村上宗隆、初球のインハイ速球を豪快なスイングでライトスタンドに叩き込んだ！〉と言われれば、映像はなくとも――すぐにその情景が思い浮かぶだろう。
「実際にやってみると、それはやっていた野球とは別物で、様々な要素があるんですよ。ボールが動く、ランナーが走る、お客さんが盛り上がる、得点が動き、時間経過もある。それに加えて解説者の方との会話を回す。放送において必要なスキルが数多いんです。
そこには確かな訓練、何回も何回もやっての慣れが必要なんです。これまで実況をした日付をメモしているんですが、放送に乗らない実況練習をデビューまでの3年間で50回ほどはこなしましたね。僕の先輩でも新夕悦男さんがスノーボード、ボクシングで伊藤隆佑さん、ゴルフで小笠原亘さんが素晴らしい実況をされているのは、野球で培われたものを応用しているという形なんです」
喜入アナもまたベースを活かして、ニューイヤー駅伝など各種競技、ラジオでブラインドサッカーの実況に挑戦していた。さらにはラジオで共演した伊集院光さんなどからもバラエティー的な話術を学び、「基本はマジメ。ときどきユーモア」というモットーのもとに、アナウンサーとしての幅を広げようとしている。
報道の世界、野球部の先輩・大越健介さんとの縁
そんな喜入アナは現在、スポーツとまた違う新たな分野である、報道に挑戦している。「news23」のフィールドキャスターとして、日々現場でのレポートを届けようと靴をすり減らしているのだ。そこには偉大な先輩の影響もあるという。
