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「事実上のメイン」那須川天心デビュー戦の注目度は世界戦以上か…「ボクシング界からの果たし状」だけではない“もうひとつのテーマ”
posted2023/02/15 17:09
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph by
Susumu Nagao
何もかも異例ずくめの会見だった。
2月13日、都内のホテルで行われた『Prime Video Presents Live Boxing』第4弾の記者会見。大会は4月8日に有明アリーナで開催され、寺地拳四朗(BMB)とジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)による世界主要3団体のライトフライ級王座統一戦、井上拓真(大橋)とリボリオ・ソリス(ベネズエラ)の間で争われるWBA世界バンタム級王座決定戦が発表された。さらにIBF世界フェザー級王座挑戦者決定戦や、WBOアジア・パシフィックウェルター級タイトルマッチも組まれた。
しかしタイトル戦に絡む選手たちを差し置いて会見席の中央に座る、まだデビューしていないグリーンボーイと日本ランカーがいた。那須川天心(帝拳)と与那覇勇気(真正)だ。いよいよプロボクサーとしてデビューすることになった天心は、日本バンタム級4位の与那覇とスーパーバンタム級6回戦で拳を交わすことになったのだ。
デビュー戦が「事実上のメインイベント」に
この大会の事実上のメインイベントが天心vs.与那覇であることは、会見と同時に発表されたポスターを見ても明らかだった。中央には天心の大写真と、「TENSHIN NASUKAWA DEBUT」という文字が一番目立つ形でレイアウトされているではないか。
試合順に関しては「後日発表」とアナウンスされた。選手とともに会見に出席したプライム・ビデオの児玉隆志ジャパンカントリーマネージャーは「全てがメイン。どれも見逃せない試合になると思う」と試合順に関しての言及を避けたが、天心については目を輝かせながら魅力を語った。
「我々から見ても天才ですよね。天才と呼ばれている人が全く違うところ(分野)で全く違うことをゼロから挑戦する。そのことにとても興味がある」
ボクシングのピラミッドを作るなら、その頂に世界タイトルマッチがあることは明白だ。そのヒエラルキーは不変の絶対的な価値として存在している。だからこそボクシングの世界王者は唯一無二の存在として世間からリスペクトされ、コアなボクシングファンからも信頼され続けてきた。