Number ExBACK NUMBER
「賛否両論あると思ってます」 大迫傑がニューイヤー駅伝を走ったワケ…あの区間賞チームメイトには「1秒1万円の罰金な」と冗談も
text by
涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui
photograph byShota Matsumoto
posted2023/01/29 17:00
プロランナーとしてGMOインターネットグループに「参画」し、ニューイヤー駅伝に出場した大迫傑がその真意を明かした
大迫 この5位は、チームが上り調子の途上でつかみとった順位ですから、今後もっと強くなるとクリアに思っています。選手たちが監督や僕のことを信頼してくれ、1年間好不調の波を受け入れつつ、一貫性をもって目標に向かっていければ最終的には今年以上の結果を得られるはず。僕の契約はとりあえず8月末で、それを延長するかどうかは決まってないんですけど、それまでは目標達成のためにしっかりコミットしていくつもりです。
「中途半端にスパートしたら、1秒1万円の罰金な」
――個人として期待する選手、気になる選手はいますか?
大迫 以前から一緒に練習してきた(吉田)祐也は先ほど言った「一貫性」を持った練習ができていて、チーム内でも安定して力を発揮できる主力選手になったと思います。マラソンでも結果を残して欲しいですね。
あとは……(村山)紘太ですね!
――ニューイヤーでは1区で素晴らしいスパートを見せて見事に区間賞をとりました。村山選手の激走に沸いた駅伝ファンも多いと思います。
大迫 参画する以前から一緒に練習することもあった紘太には「自己抑制」ということを何度も言ってきました。彼は、自分がレースを引っ張りたい、スパートをかけたいという気持ちが大き過ぎて失敗してしまうケースが多かったじゃないですか? もちろんそういう風にモチベーティブなのは選手としての良い資質でもあるんですけど、うまく周囲が声をかけて抑えてあげるのが大切なのかな、と。
今回のニューイヤーでも「中盤で中途半端にスパートしたら、そこから1秒1万円の罰金な」と冗談で言っていました(笑)。1区は特に中盤、そして終盤でギリギリまで我慢をしてでも、レース展開をコントロールすることが必要ですから。
おそらく大学時代は(城西大の)櫛部(静二)監督がレース展開に関しても、ある程度言っていたからこそ、あれだけの記録(1万mで日本記録更新)を出せたんだと思います。彼はコミュニケーション能力だって高いから、自分以外のブレーンやアドバイザーを利用して最大限の力を発揮していってほしいですね。能力はピカイチなので。
――今回の経験、今後どう活かしていきますか?