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「賛否両論あると思ってます」 大迫傑がニューイヤー駅伝を走ったワケ…あの区間賞チームメイトには「1秒1万円の罰金な」と冗談も

posted2023/01/29 17:00

 
「賛否両論あると思ってます」 大迫傑がニューイヤー駅伝を走ったワケ…あの区間賞チームメイトには「1秒1万円の罰金な」と冗談も<Number Web> photograph by Shota Matsumoto

プロランナーとしてGMOインターネットグループに「参画」し、ニューイヤー駅伝に出場した大迫傑がその真意を明かした

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涌井健策(Number編集部)

涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui

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Shota Matsumoto

 1月1日、ニューイヤー駅伝・3区のコースの沿道には、例年以上の観客が集まり、ある1人の選手に大きな声援が送られた。大迫傑、31歳。NIKE所属のプロランナーでありながら、実業団のGMOインターネットグループにコーチとしての役割も担う「プレイング・ダイレクター」として参画。いま日本で最も強い長距離ランナーは久しぶりに駅伝の舞台に戻ってくると、大声援を受け、区間2位の走りで、チームの順位を7つ押し上げた。
 指導もするという異例のかたちで駅伝参戦を果たした大迫は、これまでも自身のパフォーマンスを追い求めながら、後進の育成、子ども向けレッスンなど様々なチャレンジをしてきた。今回のチャレンジをどう捉え、今後をどのように思い描いているのかーーケニアでの合宿中、NumberWebのインタビューに応えた。

――ニューイヤー駅伝で「大迫傑出場」の反響を何か感じましたか? 走った後に解説席に飛び入りするなど、TBSの中継でもレースの絶対的主役として破格の扱いでした。

大迫 中継所にも色々な方が来てくれていましたし、沿道の声援は本当にすごかったです。「群馬ってこんなに応援の人いたっけ?」って思ったくらい(笑)。友人・知人からもいつも以上に「応援にいった」「テレビで見たよ」という連絡があって、箱根駅伝には及ばないかもしれないですけど、これをきっかけに実業団の駅伝も面白いと感じてもらえたら嬉しいです。

――ニューイヤー参戦を表明した後、自分が新しい道を進むことで、日本のランナーに「決断次第で自由なんだ」「こんな選択肢もあるんだ」と考えるきっかけにしてほしいと言っていました。

大迫 レース後、すぐにリフレッシュのために家族と海外旅行に行ってしまい、いまはケニアで合宿中なので直接、選手や関係者からの反響はきけてないんです。

 ただ、当然、賛否両論あると思っています。他の実業団からすれば既存のルールの枠組を壊したと解釈されるかもしれないし、感情のところで良くは思われていないかもしれません。でも、1人のアスリートとして考えると、僕とGMOのような契約のかたちはあり得るはず。大事なのは、来年、再来年にそういった選手が出てくるかどうか。僕に続いて、というとおこがましいですけど、同じような選手が出てくれたら、今回ニューイヤー駅伝を走った本当の意味が出てくると思います。

「プロランナーって何だろう」って考えたときに…

――中継でも、解説をしていたプロランナーの神野大地選手に「来年は出てください」と声をかけていましたよね。

【次ページ】 大迫が注目するランナーとは?

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大迫傑
GMOインターネットグループ
原晋
神野大地
三浦龍司
順天堂大学
田中希実
村山紘太
吉田祐也
青山学院大学

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