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「中学生にして完成形」“驚異の17人抜き”で話題のドルーリー朱瑛里は一体どこがスゴイのか? 五輪ランナーたちも絶賛「非の打ち所がない」

posted2023/02/04 06:00

 
「中学生にして完成形」“驚異の17人抜き”で話題のドルーリー朱瑛里は一体どこがスゴイのか? 五輪ランナーたちも絶賛「非の打ち所がない」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

小学4年生で陸上を始めたドルーリー。カナダ人の父親と、日本人の母親を持つ

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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 わずか9分2秒の走りひとつで見る者の心をつかみ、夢中にさせた。1月15日に京都で開催された全国都道府県対抗女子駅伝。岡山の3区を任されたドルーリー朱瑛里(しぇり)(津山市立鶴山中3年)は、美しく力強いフォームを一時たりとも崩さずに3kmを駆け抜けた。

 この間に抜き去ったランナーは17人。38位でたすきを受けると20秒間で瞬く間に3人をかわし、最初の1kmを2分55秒のハイペースで通過。終わってみれば約32秒に1人の割合で前の選手を追い抜いた計算で21位まで順位を上げ、4区につないだ。

「一つでも順位を上げて、岡山県チームに少しでも勢いをつけられる走りをしたいと思っていました」

 従来の記録を8秒更新する9分2秒の区間新記録樹立でも表情は涼しげなままで、堂々たる受け答え。区間新とともに狙っていたという8分台に届かなかった悔しさがのぞくほどだった。

五輪ランナーも「非の打ち所がない」「中学生にして完成形」

 注目を浴びるようになったのは800m、1500mなどで中学女子の年間ランキング1位タイムをマークした昨年からだ。

 中でも圧巻だったのは8月に行なわれた全国中学校体育大会の1500mを4分23秒79の好タイムで制した走り。ラスト1周の鐘が鳴るやいなや、豪快なギアチェンジで後続をみるみる引き離した姿は、いずれ国際舞台でも活躍していけるだろうというポテンシャルを大いに感じさせた。また、社会人に交じってのレースでも果敢に先頭に立つなど、負けん気の強さも垣間見える。

 魅力的なのは157cmの身長以上に体が大きく見えるランニングフォームだ。腰高でストライドが大きく、肘を力強く引く腕の振りはダイナミック。それでいて頭の上下動はほとんどなく、映像を見た何人もの五輪ランナーが「非の打ち所がない」「中学生にして完成形」と舌を巻いていた。

 '21年夏の東京五輪では1万mで廣中璃梨佳が7位入賞を果たし、1500mの田中希実も8位入賞と、トラック種目での日本女子の躍進が目を引いた。昨年の全国都道府県対抗女子駅伝4区で13人抜きを演じて区間新記録樹立を果たした不破聖衣来もいる。右肩上がりの流れの中から登場した新星のドルーリー。女子の中距離界がますます熱くなってきた。

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