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”F1界の弟分”ランド・ノリス23歳が語る憧れのアイドルとチャンピオン「一緒にレースできるなんて最高にクール」《独占インタビュー》
text by
今宮雅子Masako Imamiya
photograph byGetty Images
posted2023/01/26 17:00
2022年のドライバーズランキング7位、ランド・ノリスがNumber本誌のインタビューに応じ、F1デビューから昨シーズンの戦績について語った
19歳でデビュー、みんなの弟分のような存在に
2019年、19歳という若さでマクラーレンという伝統のチームからデビューした。ホンダとのパートナーシップが失敗に終わった後、チームは回復期にあったと言っていい。若いノリスの純粋な速さは新鮮で、笑い上戸で無邪気なキャラクターも明るい空気をもたらした。当時、最年少だったドライバーはたちまちパドックの人気を得て、みんなの弟分のような存在になった。
ヨーロッパ社会の縮図のようなF1において、いわゆる“可愛いキャラ”が愛されることは珍しく、ドライバー本人もそう見られることは好まない。しかしノリスは、弟のように思われてハッピーだと言う。
「ただ速いドライバーだからというだけでなく、どんな人間か、という部分も含めて応援されるのは僕にとって大切なことなんだ。僕はみんなを楽しませるのが大好きだし、人間性を含めてみんなにサポートされるとしたら本当に嬉しい」
寿司を除けば、和牛、味噌スープが大好き!
昨今のブームよりずっと以前から日本人気が定着しているF1界では、生魚が苦手で寿司が食べられないことも格好のネタ。“子供扱い”の一因となった。
「魚が好きじゃないんだ」と言う。イギリス人なのに、フィッシュ&チップスは? と訊くと「いや、ちょっと違うけど……」と口ごもって「とくに生の魚が苦手なんだ」と言った後、必死で挽回に努めた。
「でも魚と寿司を除けば、和牛とか、味噌スープとか、ほとんどの日本食は大好き。それに日本には他にも好きなことがいっぱいあるから。今年は初めて東京に行ったんだけど、いろんなところを散歩して、すごく楽しかった。人がいっぱいいて、何もかもが面白くて、みんな親切だしね! 渋谷だけじゃなくて、東京のすべてが大好き。僕のお気に入りの街になった」
鈴鹿ではたくさんの熱狂的なファンに会えて最高。テディベアやブレスレットやチョコレートを受け取ったと嬉しそうな様子を見て、初めての表彰台を思い出した。