オリンピックへの道BACK NUMBER
頭を抱える高橋に、村元が手を差し伸べ…“かなだい”が演技後に見せた3年目の“揺るぎない絆”「今日は多分寝れない」「パートナーがいないと…」
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAsami Enomoto
posted2022/12/27 11:05
全日本選手権、フリーの演技後、クライマックスでのミスを悔み続ける高橋大輔。立ち上がれない高橋のもとに村元哉中が近寄り…
「(2022年は)貴重な経験をたくさんできて、すばらしい1年になりました。36歳になっても進化できるんだなと感じられて、自信のついた1年でした」
2014年に一度引退し、2018年に復帰を表明。シングルで2シーズン活動してアイスダンスに転向した。アイスダンスでも3シーズンを経て、シングルに続き、アイスダンスでも全日本選手権優勝を達成した。
その開拓者たる歩みの進化の支えでもある村元は、優勝という結果を得て、あらためてこう口にする。
「全日本の場も、パートナーがいないと戻って来れません。大ちゃんに感謝です」
「景色?」村元の確認に、高橋がうなずき…
囲み取材、記者会見、2人は相手が話しているときに真剣に耳を傾け、サポートが必要なら手を差し伸べた。村元が話しているときにもこんな場面があった。
「大ちゃんと組んでやっと3年目で目標にしていた優勝、表彰台の真ん中に立つのは……」
ここでどう言葉で表すか迷った村元は、思い当たった言葉の「景色?」と高橋に確認する。高橋がうなずくと村元は続けた。
「(その)景色に、久しぶりに優勝した感覚です」と続けた。
敬意とともに結びついた2人は、堅い信頼とともに歩み、昨シーズンに続き、1枠しかない世界選手権の代表の切符を手に入れた。
「前回は納得のいく演技ができていないので、納得のいく演技、目標としているトップ10を目指して頑張りたいです」(村元)
「前回はパーフェクトな演技をできなかった悔しさがあります。その気持ちを挽回したいと思っています」(高橋)
会場のさいたまのリンクに、2人ならではの物語を描き出す決意があった。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。