オリンピックへの道BACK NUMBER
頭を抱える高橋に、村元が手を差し伸べ…“かなだい”が演技後に見せた3年目の“揺るぎない絆”「今日は多分寝れない」「パートナーがいないと…」
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAsami Enomoto
posted2022/12/27 11:05
全日本選手権、フリーの演技後、クライマックスでのミスを悔み続ける高橋大輔。立ち上がれない高橋のもとに村元哉中が近寄り…
「本当に昔から憧れのスケーターなんです。特に大ちゃんの音楽の捉え方や動作には、誰にもない個性があって。滑り方、表現の仕方がすごく好きで、そういった部分も含めて、大ちゃんの世界をダンスで体験してみたいと思ったからこそ、一緒に滑りたいと思いました」
誘われた高橋にも村元への敬意があった。
「すごく素敵な表現をする選手だなと思っていました。アイスダンスに転向してからは、表現という部分で開花したように感じます。自分を解放して楽しそうに滑っている姿を見て、体の使い方も上手だなと思ったし、アイスダンスを始めてから一層、素敵だなと感じていました」
高橋の後悔も、自分たちの実力への確信があったからこそ
2人はスタートして3シーズン目に過ぎない。取り組んできた時間が結果に大きくかかわると言われるアイスダンスのペアの中で、周囲が驚く成長を続けてきた。昨シーズン、世界選手権の代表を手にするまでになったのは驚くべき進化といえる。村元と高橋だからここまでたどり着くことができた。
その成長は今シーズンも止まらない。そもそも、フリーダンスのミスを、高橋がとことん悔やんだのも自分たちの実力への確信があり、その裏返しにほかならない。
「すごく落ち着いていて、1つ1つのエレメンツに集中してできたと思います」
村元はフリーダンスをそう振り返る。ミスはあっても1位になったリズムダンスを含め、フリーダンスでもミスするまでの演技は2人の充実ぶりを示していた。だからこそ、ミスを悔やみ続けた。
36歳になっても進化できるんだ(高橋)
でも思いは後悔だけにとどまらなかった。
高橋は言う。